世界でブームに！　秋田犬ってどんな犬？

2018年の平昌オリンピック。女子フィギュアスケートで金メダルを獲得したアリーナ・ザギトワ選手に秋田県から贈呈されたことで大きな話題となった秋田犬。

▲動物が大好きで、猫やウサギ、ハムスターなども飼っていたというザギトワ選手。秋田県から贈れらることになった秋田犬にどんな名前を付けるかも話題になりました。

日本でもっとも有名な秋田犬と言えば、忠犬ハチ公ではないでしょうか。飼い主が亡くなった後も渋谷駅で主人の帰りを待ち続けたハチの話は映画にもなり、2009年にはハリウッドで『HACHI 約束の犬』としてリメイクされました。

▲映画のモデルになった忠犬ハチ公の銅像（渋谷駅前） この映画の公開以降、アメリカはもちろんヨーロッパやアジアでも日本犬、とくに秋田犬の人気が高まりました。ドイツをはじめ、海外にも秋田犬に魅了されたブリーダーが増えているほか、日本のブリーダーに海外から問い合わせが入り各国に輸出されるケースもあるそうです。

世界中で注目されている秋田犬には、どんな特徴があるかご存知ですか？

秋田犬は短毛で、成犬になると体高はオスで67cm前後、メスで61cm前後になる大型犬。足が長くてがっしりとした体格をしています。耳が三角形でピンと立っていて、尾っぽがクルンと丸まっているのが特徴です。毛色は赤、白、虎の3種類がいます。

秋田犬は身体能力が高く、力強いという特徴があります。そのため山で狩猟をして暮らす人々に猟犬として飼われていました。また、江戸時代から大正時代にかけて、闘犬として育てられたりもしました。

闘犬が全盛の頃、より強くするために秋田犬はさまざまな犬と交配されていました。その後、秋田犬の存続を求める愛好家などの活動により、1931年に天然記念物に指定されました。ほかに、柴犬、紀州犬、四国犬、甲斐犬、北海道犬が日本犬として天然記念物に指定されています。

猟犬としての性質を備えている秋田犬は、身体能力が高いだけでなく飼い主への忠誠心がとても厚いと言われています。忠犬ハチ公の物語がそれを如実に表していますね。ただ、飼い主に忠実で飼い主を守ろうとするために、その他の人に警戒心を抱くケースもあるようです。

子犬時代は丸々としていて足もまだそこまで長くなくモフモフでずんぐりとした雰囲気。そこが可愛いですよね。そして大人になると体型は筋肉質になり、顔はキリッとした凛々しい表情に。でも飼い主と過ごすときにはのんびりリラックスした表情や甘えた表情を見せてくれます。

猟犬としての性質を備える秋田犬は、一般的な小型犬とは違う、とくに注意したいポイントがあります。これを覚えて、可愛らしい秋田犬との絆を深めていきましょう。

猟犬、そして闘犬としての気質がある秋田犬は、噛みつきなどの事故を防ぐ目的で都道府県や自治体の条例により「特定犬」に指定され、飼い方などが定められているケースがあります（茨城県、佐賀県、新潟県、札幌市など）。自分が住んでいるエリアが秋田犬を特定犬に指定している場合は、条例に従って飼うようにしてください。

前の章でも触れたように、秋田犬は忠誠心の厚い犬種です。子犬のうちからしっかりコミュニケーションをとり、自分が主人であること。主人の指示に従うことの大切さを教えましょう。そうしないと大きくなってから手がつけられなくなり一緒に暮らすことが難しくなる可能性があります。 とくに室内で飼う人は吠え癖をつけないように注意。秋田犬は鳴き声が大きいので、吠え癖がついてしまうと近隣から苦情が入るケースもあります。

大型犬で体力がある秋田犬は散歩が大好き！　散歩でたっぷり歩かないと体力が余ってしまいストレスを抱えて攻撃的になってしまうことも……。毎日最低でも１時間は一緒に散歩しましょう。散歩をしていると、すれ違う人が「可愛い！」と声をかけてくることもあるはず。秋田犬は飼い主以外には警戒心が強いので、吠えたり噛みつこうとすることもあるようです。とくに小さな子どもが近づいてきたときは細心の注意を払ってください。

可愛らしさを味わうだけでなく、飼い主と厚い信頼関係を築いて愛犬との濃密な生活を過ごせる秋田犬。世界中の人々を魅了しているのもうなずけます。 一方で小型犬とは違う注意点もある犬種なので、最後まで責任を持てるかじっくり考えて飼うようにしたいですね。しつけの仕方が分からないなど困ることがあったら、ドッグトレーナーなどに相談するといいでしょう。