愛犬の突然の病気…いざという時の為に必要なこととは?

会社員の中島さん(仮名)はまだ独身。同僚は ”独身貴族” などとからかいますが、派手な生活を好まない愛犬家です。 仕事の悩みも、愛犬と散歩をすれば忘れることができました。愛犬の「ショコラ」は、中島さんが2001年の大晦日にペットショップで一目ぼれし、その日の内につれて帰ったラブラドール・レトリーバーです。性格は温厚で従順。 いつも中島さんの帰りをおとなしく待っていました。ペットと飼い主の平和な生活を覆す出来事は、ある日突然やってきました。

立ち上がらないショコラ

2014年4月のある朝、ショコラは普段からおとなしい犬でしたが、この日は少し様子が変です。元気がなく、立ち上がることができません。仕事が繁忙期を過ぎていたのは幸いでした。中島さんは会社を休み、ショコラを動物病院に連れていきました。 検査だけで18万円!? 診察の結果、どうやら首に問題があり、神経が圧迫されているようだとのことでした。負担の少ない、簡便な検査から順に行っていきましたが原因を特定することができません。磁気を利用して、精密な検査が可能なMRIを受ければ、より詳しく調べることができます。 しかし、その費用はというと……18万円(自由診療のため、費用は医療機関によって異なります)。高額な検査であり、全身麻酔も必要です。獣医さんは決して強くは勧めませんでしたが、中島さんに迷いはありませんでした――「先生、ショコラにMRIをお願いします。」

頸椎にヘルニアが見つかる

MRIは評判通り優れた検査でした。しかし、結果は残酷なものでした。 ショコラの首(頸椎)にヘルニアが見つかったのです。これが神経を圧迫し、全身に悪影響を与えているといいます。手術と最大4週間程度の入院が必要とのことでした。手術をしたからといって必ず良くなるとは限りません。 中島さんは迷わず手術をお願いしましたが、獣医さんからは「本当にいいんですね」と何度も確認されました。 一時の感情で手術を選び、結果が良くないと知ると、医療費の支払いを渋ったり、中には、「もうそっちで処分してよ!」などという飼い主が少なくないからだといいます。

3か月のリハビリを共に乗り越える

幸い手術は成功。立ち上がれなかったショコラは次第に元気を取り戻していきました。 最初は四つん這いで脚を動かすところから始まり、徐々に支え立ちができるようになり、家の中を歩く、屋外で短い距離の散歩と、順を追ってリハビリを続けます。 文字通りの二人三脚。仕事との両立は大変でしたが、元気になっていくショコラの姿を見るのは幸せだったといいます。 手術から1年数か月後の2015年7月、残念ながらショコラは亡くなります。 しかし、苦しみながらの死ではありませんでした。 「つらそうな姿を見るのが悲しかった。短い時間でしたが、元気なもとのショコラに戻りました。手術と入院、リハビリの日々を通じて絆は深まり、また、愛犬と穏やかな日々を過ごすことができました。手術をお願いしたことに後悔はありません」と中島さん。 しかし、検査と手術、その他の費用を合わせると経済的な負担は相当なものです。「医療費が高いから、手術を受けさせられない」としても、誰もそれを責めることはできません。 ペットの突然の病気に慌てないためには、気軽に相談できるかかりつけの獣医さんを見つけておくとよいでしょう。 また、全額自己負担となるペットの治療費は動物病院によってまちまちです。手術や入院でどれくらいかかるのかを調べ、必要に応じてペット保険などのサポート体制を整えておくことも大切です。 (Mocosuku 提供)