自転車通勤と腰痛の不思議な関係とは

運動不足気味だから、交通費の節約になるから、自転車に乗るのが好きだから、
と自転車通勤を始める動機は人によって様々です。
そうした動機の一つに自転車通勤すると腰痛が改善すると聞いたから、というものも挙げられているようです。
しかし同時に、腰痛の無かった人が自転車通勤によって腰痛になることも報告されています。
単純に噂に飛びつくのではなく、問題の色々な面を調査する必要があるようです。
自転車選びは種類によっては腰痛が悪化することがあるので、
特徴を理解して通勤距離に合わせて選びます。

自転車は腰痛にとってプラスにもマイナスにもなります。

自転車を利用して腰痛を改善させる方法もあれば
自転車で腰痛になってしまうこともあります。
ひとことで自転車の良し悪しを言うことは出来ませんが
正しい知識があれば問題ありません。
通勤距離に対して適切な自転車を選ぶかどうかも、腰痛に関係があるのです。

腰痛について正しく理解していますか?

5日目ぐらいから、腰の具合が悪くなった。
 僕はもともと腰痛持ちなのだが、どうやら自転車を漕ぐ姿勢というのは、あまり腰に良いとは言えないらしい。
 ああ、やっぱり僕に自転車はダメだったかとがっくりしたのだが、フェイスブックでアドバイスをいただいて、一番坂が急なところはおりて押して歩くことにしたり、とにかく、あんまり張り切って漕ぐのはやめることにした。そうやって数日経ったら、ありがたいことに腰痛は消えた。 
 こうやって、なんとか、自転車とのつきあい方をみつけることができた。
自転車通勤と腰痛の関係において単純に白黒を語る前に、
腰痛の原因は実に複雑で、多岐にわたることを理解しておく必要があります。
一般に腰痛はギックリ腰のような一時的なものと、脊椎狭窄症のような慢性のものに分けることができます。
原因も遺伝のような先天性のものと、激しい運動のような主に後天性のものとに分けることができます。
原因を考えずに腰痛体操をしてかえって腰痛を悪化させたという事例もあり、
勝手な思い込みや中途半端な知識で対処するのは危険です。

自転車通勤は立派なスポーツです。
ですから、腰痛体操の場合と同じようにやみくもに取り入れればいいという訳ではなく、
自分の身体の状況、走行距離、自転車の種類などを考慮して行う必要があるのです。

それでは、自転車通勤が腰痛改善に役立つと思われるケースは、
どのようなものなのか考えてみましょう。

自転車通勤が腰痛改善に役立つと思われるケースとは

自転車を漕いで軽減する腰痛のタイプとは?

自転車というとママチャリのように上半身をまっすぐにして乗るタイプのものを想像する人もいるでしょうが、今回の自転車は、いわゆるロードバイク系で、上半身を前に倒して乗るタイプのものを指します。
これは、腰の痛みだけではなく、しびれを伴う、「脊椎管狭窄症」という症状を持つ人に向いた運動方法です。
このタイプの人には、運動時には上半身をまっすぐにさせるよりも、少し前屈みの前傾姿勢をとる方が良いのです。
逆に前屈みになって痛みを感じるタイプの人にはオススメ出来ませんのでご注意下さい。
立ち通しや歩き通しが辛いシニアの方がカートを押して歩くと楽だとか、
前かがみで休むと楽になるというのは、腰部脊椎管狭窄症の症状が出ている場合があります。
(診断は医師が行います)
腰部脊椎管狭窄症という病気で腰痛の症状が出ている人の場合、
前傾姿勢になると腰の痛みが緩和するという特徴があるので、
体を前に倒すタイプの自転車は痛みの少ないエクササイズの1つとなり得ます。
むろんそのような場合でもどれほどの量の運動が可能なのか、医師の判断を仰ぐ必要があります。

正しい自転車選びは腰痛防止の第一歩

元々は腰痛持ちではなかったが自転車通勤を始めたら腰痛になった、
というケースの腰痛の厳密な原因については、人それぞれなので細かく挙げていくときりがありません。

それでも一般的に言われている要素として、
①通勤距離などに対して正しい自転車を選んでいない
②サドルの高さなど(ポジション)が適切でない
③走行中、正しい姿勢を保てていない
といったことが挙げられています。

どれも大切なポイントではありますが、記事の冒頭でも触れた、
最も基本的な要因ともいえる通勤距離に適した自転車のタイプを知って、正しく自転車を選びましょう。

タイプ1: シティサイクルは短距離を安全・気楽に走るための自転車

1つ目はママチャリと呼ばれるシティサイクルです。
シティサイクルの目的はより安全に楽に近距離を走行することです。
そのためサドルは大きくクッション性に富み、腰のかけ方も椅子と同じで体が垂直になるため、
前方を見やすい姿勢で走行することができます。
また、サドルに腰かけたまま両足が地面に着くような高さに調節すれば、
とっさの時にも比較的安全に対応できます。
一方で長距離を走るのには適しておらず、サドルに垂直に長時間腰かけていれば、
体重や道路からの振動を全て腰やお尻で受けるので腰痛の原因にもなります。
長距離・長時間の自転車通勤にはシティサイクルは適していないのです。

タイプ2: ロードレーサーはかなり長距離を高速で駆け抜けるための自転車

2つ目は自転車レースに使われているような、いわゆるロードレーサーといわれる自転車です。
ロードレーサーはスポーツ用の自転車で、より速くより遠くへ走るための自転車です。
タイヤは細くサドルも小さく、ドロップハンドルを握ると体は前傾姿勢になり、
前方を見るには顎を上げて体を反らせる必要があります。
空気抵抗を少なくするような姿勢ではありますが、路面からの衝撃は腰も含め全身に受けることにもなります。
ロードレーサーを自転車通勤に使うのは走行中の姿勢や自転車の特性上、
知識があり訓練した人がそれなりの装備をして乗るのでなければ難しいと言えるでしょう。

タイプ3: クロスバイクは街中も含め長距離を走るための自転車

Cycling
3つ目は、シティサイクルとロードレーサーの中間的な存在であるクロスバイクです。
クロスバイクは街中を含む比較的長距離を走る目的の自転車で、
シティサイクルのような太めのタイヤがあり路面の衝撃を和らげることができます。
一方でフラットハンドルを握るとやや前傾姿勢で走行することになり、
衝撃や体重を腕でも支えることができるので長時間の走行で腰にかかる負担を減らすことができます。
通勤距離がやや長めならば、この種類の自転車が適していると言えるかもしれません。

腰痛に気を付けて快適な自転車通勤を

自転車通勤をしたから腰痛が治る、または腰痛が悪化すると、
端的に考えるべきではないことがお分かりいただけたでしょうか。

それでも、個々の状況に合わせて通勤距離にあった自転車を選び、
専門家に正しいサドルやハンドルのポジションを出してもらい、
走行中の姿勢に気を付けて無理なく自転車を走らせることは、
腰痛を防止しバランスよく筋肉を鍛えるのにとても役立ちます。

腹筋と背筋がバランスよく鍛えられると改善される腰痛もありますし、
他の生活習慣病の防止にも役立つことでしょう。
自転車通勤で腰痛に気を付けて行う対策は、通勤そのものを快適にするだけでなく、
毎日の生活を快適にする対策でもあるんですね。
体幹を鍛えましょう。インナーマッスルの強化ですよ。忘れないでください。
ロードバイクのポジションも大切ですが、腰痛の原因の多くは意外に皆さんの
身体の中にあります。
毎日の生活でも正しい姿勢を意識しましょう。
正しい姿勢になれば人は見栄えも良くなります。
そうなれば腰痛に悩むこともなくなり、なんと一石二鳥ですね。