年々延びている、ペット寿命

一般社団法人ペットフード協会の調査によると、平成29年の犬全体の平均寿命は14.19歳、猫全体の平均寿命は15.33歳。犬は小型犬の寿命が長い傾向があり、猫は家の外に出さない「家猫」のほうが外に出る猫との寿命よりも3歳近く長生きするという調査結果でした。
昭和40年代、犬の平均寿命は10歳程度だったそうですから、ここ30年の間にペットたちはとても長生きになったということになります。
長寿化の理由としては

■動物医療の進化
■ペットフードなどの質の向上
■室内飼いの増加など、飼育環境の向上

などが大きく影響しています。

高齢化により介護問題が浮上

ペットたちが長生きするようになったことは、飼い主にとって、とても嬉ばしいこと。でも一方で、高齢化に伴う心配事も増えている、という側面もあります。
人間と同じく、ペットたちも老化により足腰の衰えや運動能力の低下が見られたり、また病気の発生率も増してきます。ペットが若かった頃には考えられなかった介護問題に直面するのです。
寝たきりになってしまったり、認知症により異常行動をするようになってしまったペットたちへの終わりの見えない介護に、飼い主自身の心や体が疲弊してしまうことも少なくありません。だからこそ、ペットが元気なうちに介護について心構えをしておくことが大切です。

もし、介護が必要な事態に直面したら

一般的には、犬も猫も10歳を超えたあたりから高齢化による運動機能や消化機能の低下が始まり、時に介護が必要になってきます。

■食事のケア
【症状】固いフードが食べにくくなったり、消化機能の衰えから下痢や嘔吐などの症状も。
【解決方法】フードをお湯でふやかして柔らかくしたり、消化吸収のよい老犬・老猫用のフードに切り替えてみるとよいでしょう。

■散歩や歩行ケア
【症状】フローリングですべってしまう。階段が使えない、ちょっとした段差が超えられないなど。
【解決方法】滑り止め用のカーペットを敷く、お散歩用などは歩行補助用のハーネスなどを利用して、歩行をサポートするとよいでしょう。車やソファに乗るためのペット用ステップなども、数多く市販されています。
そのほか、視力や聴力の衰えなども見られます。呼びかけなどへの反応をよく観察した上で、ぶつかりやすい家具などはレイアウトを見直したり工夫してみてください。

深刻な介護としては、以下のようなものがあります。
■寝たきり
足腰の衰えや疾患などにより寝たきりの状態になると、生活全般にわたっての介護が必要になります。
まず排泄のケア。自力で排泄できるうちはできるだけ定期的にトイレに連れて行き排泄させる方がよいのですが、それが難しくなった場合はペット用のオムツなどの利用をおすすめします。
また、同じ体勢で寝続けると、ペットも床ずれを発症します。数時間ごとに身体の向きをかえるようにしてください。
消臭や給水機能のある介護シーツなども市販されており、ご飯をこぼしたり糞尿モレをサポートするのに有効です。こういった介護グッズを利用して、ペットも飼い主も清潔&快適に過ごすことが大切です。

■認知症等による異常行動
犬も猫も、人間と同じく高齢化により認知症の症状が出ることがあります。症状としては、昼と夜の活動が転換する、攻撃性や破壊行動が増す、徘徊、無駄吠え(猫なら大声で鳴く)、トイレのそそうや失禁、興味や関心、表情がなくなる、などさまざまです。
徘徊等であれば、部屋の中に大きめのサークルを設置しておき、その中を自由に歩けるようにするなど工夫しましょう。
昼と夜の活動が転換してしまう場合は、できるだけ昼に遊んだりかまったりしてあげることにより、夜に睡眠してくれるようになったという例を多く聞きます。
困るのは夜間の無駄吠えなどでご近所迷惑になってしまうような症状。解決は難しい問題ですが、ご近所の方に事情をお話しておくなど、日頃のおつきあいを大切にすることも大切です。
こういったケアは、共働きの家庭はもちろん、主婦のいるおうちでも介護の負荷がひとりに集中して、介護疲れなどが生じる恐れもあります。民間の介護シッターや、老犬のデイサービスなどもありますので、利用も考えてみてはいかがでしょう。
また最近では、認知症の症状の改善が期待できるオメガ3脂肪酸のフードなども登場したそう。かかりつけ医に症状ごとに対処方法を相談してみることをおすすめします。au損保のペット保険加入者であれば、「かかりつけ獣医師ダイヤル」などで24時間365日、無料相談もできます。

ペットたちの介護は、個別に事情も症状も違い、まさに試行錯誤。ですが、知識を備え、周囲の力を借りたり工夫をすることで、充実感のあるときを過ごすこともきっとできるはず。できないことにくよくよするのではなく「工夫したら上手くいった」「今日はこれができるようになった」と、前向きな気持ちで過ごすことが何より大切です。
ペットが元気なうちに、ぜひ考えておきたいですね。