多発する、愛犬の連れ去り事件
買い物の間のちょっとした間に、車内に残していた愛犬が連れ去られてしまった! そんな悲しい事件、実はけっこう多いのです。 犬を誘拐する目的は
・転売目的 ・単純ないたずらや嫌がらせ ・発見をよそおい、謝礼を要求 ・自分で飼うため
など、さまざま。 転売目的の場合は、とりわけ幼犬などが狙われるケースが目立ちますが、人気犬種であれば成犬も被害にあいますし、小型犬だけでなくおとなしい大型犬などの連れ去り事例も少なくありません。 もし、そのような被害にあったら、速やかに警察や保健所に連絡するよう対処が必要ですが、残念ながら多くのケースの場合、愛犬が無事に戻ってくることはきわめて難しいとされています。大切なパートナーがそんな被害にあうなんて、飼い主さんの気持ちを思うと、本当に胸が痛みます……。
車上荒らしのテクニックも多様化しており、鍵を壊したり窓を割ったりする乱暴なものから、 換気のため少し開けておいた窓のすき間から専用工具を用いてキーを解錠するという悪質な方法もあります。 また、車上荒らで金品を盗もうとドアを開けたときに、驚いたワンちゃんが逃走してしまった、というケースもあるようです。
これからの季節、熱中症も恐ろしい
ワンちゃんを車内に残していくことの危険性は、ほかにもあります。 夏に向かうこれからの季節、特に恐ろしいのは熱中症。 JAFの調査によると、夏場の炎天下(気温35度)だとエンジンを切って窓を閉め切った車内の温度はわずか30分で10度上がり、その後は55度を超えたそうです。夏場以外でも締め切った車内の温度はあっという間に高温になることもあります。 とりわけ、人間より汗腺が少なく体温調整が難しい犬や猫は、より熱中症の危険にさらされているということを、肝に銘じておくべき。 悲しいことに、真夏日、車中にわずか10分残されていたワンちゃんの熱中症による死亡例も報告されています。 ワンちゃんを車中に残す場合、エアコンをつけたままサブキーなどで施錠をしておく、という方も多いようですが、操作ミスによりエアコンが途中で止まってしまった、というケースも。 また、アイドリング状態で駐車することは条例違反になる地域が多く、条令で禁止されていなくてもマナー的に疑問が残ります。 可能な限り、ワンちゃんをクルマに残さない方法をまずは考えるべきでしょう。
どうしても車中に残して行かなければならない場合に、気をつけること
・なるべく短時間で用事をすますこと ・できるだけ人の目にふれる場所、または飼い主が目視できる場所に駐車すること ・熱中症を防止するために、木陰など直射日光を避けられるスペースを選ぶこと
何人かの愛犬家のみなさんに聞いてみると、 「ペットを連れている場合、食事はできるだけドライブスルーなどを利用して、車内で食べるようにしている」 「夫婦で交代し、ひとりは車内に残るようにしている」 「特に熱中症の心配がある夏は、ちょっとした用足し外出などのときはお留守番してもらうようにして、日中に連れ出すことは極力ひかえるようにしている」
など、愛するペットのために気遣いされているようです。 万が一のトラブルを防ぐため、ワンちゃんの危険回避、ぜひ心がけたいものですね。