新しい家族として保護犬、保護猫を迎えるという選択肢

保護犬、保護猫を迎えるための方法は?

保護犬や保護猫を迎えたいと思った場合、出会いの場は大きく分けて3つのルートがあります。

1.各自治体の動物愛護センターからの譲渡(※名称は自治体により異なる場合あり)

条件は各自治体によって異なりますので、お住まいの地区の自治体サイトなどで確認をすること。 愛護センターが直接譲渡会などを運営する場合のほか、登録している保護団体を紹介してくれるケースなどもあります。自治体によっては事情によりペットを譲渡したい個人と、ペットを迎えたい個人をマッチングする「出会いの場」を運営しているところなども。

2.保護団体からの譲渡

ネットで「飼い主募集」などで検索して探すことができます。犬専門・猫専門の団体、両方取り扱う団体など規模も運営形態もさまざまですが、こちらもほとんどの場合、譲渡条件やトライアル期間が設定されています。譲渡会などを定期的に行っている団体が多いので、預かりボランティアさんなどから性格などを教えていただけたり、飼うにあたっての注意事項などのご相談ができたりと、新しく飼い主になるには安心できる方法です。

3.個人から個人の譲渡

捨て猫を拾ってしまった人、個人で保護ボランティアを行っている人などから譲渡を受ける方法。SNSなどでのクチコミ募集や、マッチングサイトなどにエントリーしているケースなどがあります。犬も猫もふれあってから決められる方法が望ましいので、面接できるような募集方法をとっているものをおすすめします。

保護ペットたちの譲渡会の様子を見学

東京・北参道の駅からほど近い路地の角地にあるビルに、キャリーに入れたペットたちを運び入れる人たちが続々とやってきます。 取材に伺ったのは、動物愛護団体Rencontrer Mignon(ランコントレ・ミグノン)が月に2回開催する譲渡会の当日。 普段は「預かりさん」と言われるボランティアの方たちの家で育てられているペットたちが、新しい飼い主さんと出会うために集まるのです。

▲普段はペットサロンの1階には生後3ヶ月ぐらいの子猫から成猫まで、新しい飼い主さんを待つ猫たち。人なつこい子、恥ずかしがり屋さん、おしゃべり、やんちゃな子から穏やかな子まで、個性はさまざま
▲3階のシェルターにはワンちゃんたちも。ここで暮らしている子もいますが、普段は預かりさんの家で生活している子たちも集合しています。ケージには名前とそれぞれの性格など、手作りのPOPでていねいに紹介されています

ミグノンは、ペットサロンと動物病院を経営しながら、保護活動も行っています。

▲2階にはクリニックを併設

このような形態になったきっかけなどを、ランコントレ・ミグノンの代表理事、友森玲子さんにお話を伺ってみました。

「経営していたペットサロンで保護犬の預かりボランティアを始めたところ、自分なりに保護活動のアイデアがいろいろ沸いてきたこともあり、団体を立ち上げることにしたんです。
生き物を扱うため、保護活動にはたくさんの経費がかかります。そこで、サロンに加えて、クリニックを運営することになりました。トリミングやシャンプー、ペットホテルをはじめ、フードやグッズの販売、栄養相談、そして獣医師による健康ケア。こういった活動をすることで、取引先からもサポートが受けられますし、保護活動に還元できるメリットはとても大きいんです。」

保護犬、保護猫を取り巻く環境も変わってきた

ミグノンで保護している動物は、どういう経緯で集まっているのでしょう? 「そもそもが、地元である東京での殺処分を減らしたい、という思いから始めたので、動物愛護相談センターからの引き取りがベースです。それに加えて東日本大震災や、熊本の震災でも多くのペットたちを保護してきました。ここのほかにも千葉と都内にもう1カ所ずつシェルターがありますが、多くの子たちは延べ70人ぐらいの預かりボランティアのおうちで生活しています。 やっぱり犬も猫も、新しい飼い主さんが見つかるまでの期間、できるだけ普通の家庭で人間の愛情を受けて過ごして欲しいんです。」 友森さんご自身も、最初「自分の犬を飼いたいな」と思い、いろいろ調べていくうちに預かりボランティアの存在を知り、その活動をしていくうちに今のような形態になっていったということ。

「結局、自分の犬はまだ飼っていないんです(笑)。動物が好きすぎる自分にとって、こういった形で動物たちと過ごせることは本当に幸せです。」 なるほど、保護動物を引きとることはもちろん、ボランティアとして愛情をそそぐという関わり方も、動物と暮らすひとつの選択肢なのかもしれませんね。 12年前に保護活動を始めた頃と比べ、保護動物をとりまく環境も大きく変わってきたと、友森さんは感じているそう。 「昔は保護犬を連れてお散歩していると、『え!保健所からきた犬なの?病気は大丈夫なの?』なんて驚かれたりするような反応がほとんどでした。今は保護犬や保護猫の存在も知られてきていて、ペットを迎えるための選択肢のひとつとして定着してきたのは嬉しいことですし、各地の愛護センターでも愛情と努力をもって運営し、殺処分を減らす努力をされているところも増えてきています。」

保護犬、保護猫を迎える上で大切なこと

ミグノンでは、犬や猫の譲渡に際していくつかの条件を提示しています。たとえば、生計を立てる仕事か、またはそれに準ずる収入があること。犬も猫も室内飼いをすること。未成年や学生、高齢者だけの家庭でないこと。ひとり暮らしの方は保証人か後見人をたててもらう必要があること、などなど。いずれも、ペットを家族として終生責任をもって育ててもらうためには、一定の環境が必要だと考えるからです。 また、正式譲渡の前には1~2週間のトライアル期間を設けています。 保護動物を新しい家族として迎えるにあたって、友森さんが大切だと思う心構えなどを教えていただきました。 「保護動物たちを『かわいそうな子を救いたい!』という気持ちだけで迎えないでいただきたいんです。一緒に楽しく幸せに暮らすことが何より大切ですから。そのためにも、飼い主やご家族、先住動物との相性なども含め、新しい環境とのマッチングが一番大切なことだと思ってます。ご自分のライフスタイルと合う子を迎えていただきたいですね。 活発で運動量が必要な犬種や若い犬などであれば、たっぷりのお散歩が苦にならないとか、アウトドアなどでペットと一緒に楽しめる人がいいでしょうし、家でまったりと過ごすのが好きな方であれば、シニアの犬や猫との穏やかな生活はとても満ち足りたものになるでしょう。」(友森さん)

子犬や子猫ばかりのペットショップと違い、保護動物たちは成犬や成猫も多く、だからこそ個性の違いがきわだっているように思えますね。 「でしょう?(笑) だからこそ、新しく飼い主になることを考えるならばネットなどでの画像や情報だけではなく、ぜひ譲渡会などで直接あっていただきたいんです。活発な子やシャイな子、いろいろいる中で、ご自分と相性がよさそうな子を感じられるはずです。」(友森さん)

新しい家族を迎える方法として、保護動物をひとつの選択肢として考えること、ぜひ広く一般化して欲しいものです。

一般社団法人 動物愛護団体 Rencontrer Mignon(ランコントレ・ミグノン) 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-3-5 HP: http://rencontrer-mignon.org/ mail:info@rencontrer-mignon.org