自転車通勤中に事故や怪我をしてしまった!

通勤中の事故や怪我は基本的に労災が適用されます!

通勤中の事故や怪我に関しては、基本的には労災保険が適用されます。 事故や怪我の程度によって一定の保険給付を受けることが出来ます。

通勤中の定義とは?

労災保険が適用されるためには、あくまで通勤の途中で起こった事故や怪我でなければなりません。 例えば、通勤途中で買い物に行ったり、仕事帰りに職場の同僚とお酒を飲みに行ったり、朝、コーヒーショップに行ったりすると、通勤を中断したものと判断されてしまう場合もあります。 その場合、通勤途中の寄り道で起きた事故や怪我に関しては、労災保険が適用されない場合もあるのです。

★労災かどうかを見極めるための定義とは?

そこで労災保険が適用されるかどうか見極めるためには、通勤の定義が法律上、設けられています。

就業に関する住居と就業場所を往復、あるいは別の就業場所への移動、単身赴任先からの帰省などであること
合理的な経路及び方法によるものであること

但し例外も認められています

通勤中は寄り道をすると通勤途中から脱線したとみなされ、寄り道中はすべて労災が認められないとなると、会社で働く人にとっては、不利益を被ることになります。 たとえば、毎朝、通勤前にコーヒーショップで一息入れてから、会社へ行くという方や、会社の近くのコンビニやパン屋さんなどで、昼食や休憩時間に飲食するためのお弁当や菓子パン、コーヒーなどを購入するという方もいるかもしれません こんな些細な寄り道も労災の通勤の定義から除外されていては、働く者にとってはかなりの不利益を被る結果となってしまいます。 そこで労災では通勤途中の寄り道も一部認められているのです!

労災で認められる通勤中の寄り道にはこんなものがあります!

労災で認められる寄り道には、日常生活に必要な最小限度の行為です。 最小限度の行為というと難しそうなイメージがありますね。 通勤経路の途中でごく短時間に日常生活上必要な行為なら認められます。 労災で認められている寄り道には、食品などを購入するためにスーパーに立ち寄る行為、ワイシャツをクリーニング店に出す行為、コーヒーを飲む行為、病院への通院などが認められています。 ただ、それらの行為が長時間に及ぶ場合には、労災と認められませんので、注意しましょう。

自転車通勤を会社に黙っていた場合はどうなるの?

会社には黙って自転車通勤をしている場合はどうなるのでしょうか。 バスや電車通勤をしていると報告して、交通費を支給してもらい、自転車通勤で交通費を浮かせ、通勤途中で事故や怪我をした場合には労災保険は果たして適用されるのでしょうか? また会社によっては就業規則で自転車通勤を禁止している場合があります。 その場合、禁止されているにも関わらず自転車通勤をし、通勤中に事故や怪我に合った場合には、労災保険は適用されるのでしょうか?

就業規則に違反しているわけだから、事故とはいえ、労災給付をもらうのはムシがよすぎるようにも思える。しかし、労働上の法律問題解決に長年携わる、中町誠弁護士は、「届けと異なる通勤方法をとっていても、通勤災害としては認められる可能性が大きい」と話す。

そもそも労災保険法上にいう「通勤」とは、労働者が就業に関し、住居と就業場所との間を、合理的な経路および方法で往復する行動をいう。「就業規則に基づき会社に届け出た方法」という限定はなく、客観的に見て「合理的な方法」でさえあれば、法律上の「通勤」だといっていい。したがって、就業規則を遵守しない通勤方法をとっていても、通勤災害として補償される余地は十分にあるのだ。

自転車通勤の届け出をしてなくても

自転車通勤の届け出をしていなくても通勤災害として補償される確率は高いため、労災が下りる可能性が高いでしょう。

交通費の不正受給に関しては?

交通費を浮かせるために自転車通勤をされている方は、実際に多くいらっしゃいます。 ほとんどの場合、自転車通勤で浮かせた交通費に関しては目をつぶってくれるところがほとんどかと思います。 ただ場合によっては、交通費の不正受給をしていることになるため、交通費の返還を求められてしまう場合もあるかもしれません。 また自転車通勤が就業規則で禁止されている場合は、会社によっては就業規則違反に該当するとし、懲戒の対象となる可能性もあるということを肝に銘じなければならないかもしれません。