自転車通勤をはじめよう~#06盗難と事故リスク~

通勤用自転車の盗難被害を防ぐには

まずは「自転車の盗難対策」です。 盗難はもちろん犯罪で、社会的に絶対に許される行為ではありませんが、罪の意識なく他人の自転車を勝手に利用し乗り捨てる人がいるのも事実です。 さらに、最近では高価なスポーツタイプの自転車が盗まれて転売されるケースも増えており、問題視されています。自転車を完成車のまま売却するとシリアルナンバーから盗難品であると分かってしまう可能性があるので、パーツだけ取り外して転売されるケースもあるようです。 鍵をかけていつもの駐輪場に止めたのに、帰宅時にはパーツが無くなり変わり果てた愛車を見て茫然・・・という話を聞いたこともありますが、こういったケースでは一部分に鍵をかけても盗難を防ぐことはできません。

注意すべき自転車窃盗犯の盗難手口

”窃盗のプロ”の手口には計画性があります。例えば、高価なスポーツ自転車が毎日のように同じ場所に駐輪されていたら、窃盗犯は盗むタイミングを見計らいやすく、ターゲットとされてしまうかもしれません。こうなったら細めのワイヤ錠等でガードしていても業務用カッターで切断され、あっという間に持ち去られてしまいます。その後は売却しやすいパーツだけを外され、フレームはどこかに捨てられる運命となるでしょう。

通勤用自転車の安全な駐輪場所選び

このように自転車は盗まれやすいものだと理解した上で、大切な愛車の盗難を防ぐには、まず駐輪場所を検討しましょう。自転車をオフィス内に持ち込むことがベストですが、監視カメラ等で出入りがチェックされている会社敷地内の指定駐輪場も安心です。一方、不特定多数の人が出入りするような駐輪場の場合、特に人の目や監視カメラが行き届かない駐輪場では盗難の危険性が高まります。

自宅の保管場所も当然屋内とすることがベストですが、やむを得ず屋外に置く場合は施錠方法などを工夫する必要があります。こちらについては後ほどご説明いたします。 会社や自宅以外だと、サイクリングや通勤途中にカフェで休憩するのも自転車通勤の楽しみの一つですが、自転車は常に席から見えるところに駐輪することが原則です。最近は駐輪用のサイクルラックが用意されているお店もあるので、こういったお店を探しながら、サイクリングするのも楽しいでしょう。

通勤用自転車を固定物に結ぶときの盗難防止策

やむを得ず管理が行き届いた場所以外に駐輪するときは、施錠を厳重にしましょう。柵や柱など地面に固定され動かせないものにチェーン錠などで固定することは当然ですが、簡単にパーツを取り外せるスポーツ自転車の場合は、特に前輪とフレームを絡めて固定することをお勧めします(写真上)。フレームだけを結ぶと前輪だけ盗まれてしまうことがあります。逆に前輪だけ結ぶと、前輪を残して他の部分が盗まれてしまいます(写真下)。 もちろん、このように固定する場合は駐輪が許可されている場所でなくてはいけません。

もしも自転車通勤で事故に遭ってしまったら

続いて、『自転車事故に遭ったときの対応』です。 万一事故に遭ったら何をすれば良いのでしょうか? 自転車事故対応についてあらかじめ知っておくと、いざという緊急時にもパニックになりにくく冷静な対応ができるはずです。自転車事故の被害に遭ってしまった被害者の立場でも、自転車事故を起こしてしまった加害者の立場でも、一人の人間として責任ある行動を取るように心がけましょう。自転車事故対応の流れとポイントは以下になります。 まず安全を確保したうえで、負傷者がいる場合は救急車(119)を呼びます。必要に応じて救急処置を行いましょう。大きなケガをした人がいない場合は、警察(110)に連絡しましょう。クルマの免許をお持ちの方はお分かりかと思いますが、基本的にはクルマで事故を起こしたときの対応と同じです。 注意しなければならないのは、自転車事故の場合、損害が軽微だからと警察に連絡せずに済ませてしまいがちなこと。警察による現場検証など、きちんと警察に届けていないと保険に加入していても保険金が支払われないこともあります。 また、忘れがちですが、事故の相手と連絡先を交換しておくことも大事です。解決を急ぐあまりに当事者間で示談するのではなく、冷静に対応することが必要です。事故対応のプロである損害保険会社に相談するのも良いかもしれません。

自転車保険で自転車通勤の事故リスクに備える

事故に遭った場合に備えて自転車保険に加入しておくことも万一の備えの1つです。 クルマやバイクを運転する場合は、法律に基づき自賠責保険(強制保険)への加入が義務付けられていますが、自転車には自治体ごとに自転車保険の加入を義務付けている場合はあるものの、全国的なルールはありません。 慌ただしい朝の出勤、すっかり暗くなってからの帰宅など、ツーキニストが事故に遭うリスクは色んなところに潜んでいます。また、自分がケガをしてしまうだけでなく、他人の物を壊したり他人に大ケガをさせたりして賠償責任を負うこともあります。万一の備えとして自分のケガの補償だけでなく、個人賠償責任の補償も付いた自転車保険へ加入しておくこともマナーの1つかもしれません。

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