猫の食事の回数は決めるべき?
猫は本来、自分の好きなタイミングで獲物を狩り、食事をする生き物です。 だったら特に食事回数を決めず、好きなときに食べられるよう常に食事を 置いておけばいいのではないか?と、考える飼い主もいらっしゃるでしょう。 たしかに、食事の量や回数を自分で調整できる猫は存在します。 そういった猫の場合は、食事の衛生状態に気を配りつつ、 常に食事を置いておくスタイルを取っても問題はありません。 ただ、そのように上手くいく例は少ないでしょう。 実際は置いてある食事を一気に早食いして消化が追いつかずに吐いてしまう猫や、 必要以上に食事をとって肥満状態になってしまう猫の方が圧倒的に多いのです。 ですから、愛猫の様子を見て食事の量や回数を調整するのが不得意そうだなと感じた場合は、 飼い主が食事の回数をきっちりと決めてあげること大切です。
食事の回数は適切に
食事の回数を決めるといっても、自由に設定して良いというわけではありません。 それぞれの猫に合った、適切な回数を決めてあげることがポイントです。 少なすぎても多すぎても、猫の健康に良くない影響が出る恐れがあります。 回数だけではなく、食事の時間間隔にも気を配りましょう。 間隔にバラつきがあるのは望ましくありません。 1日は24時間ですから、1日2回と食事回数を決めた場合には、 12時間程度の時間間隔を空けて食事を与えるようにすると良いでしょう。 生活リズムを整えて、習慣づけることが重要です。
成猫の食事は、朝・晩の2回に分けて与えるとよいでしょう。1日1食の場合には空腹で過ごす時間が長くなるため、食事の際に急いで食べて、食後に吐いたりすることがあります。また、2回に分けた場合も食事と食事の間隔が長いと、体が脂肪をためこみやすくなり肥満の原因になることもありますので注意しましょう。
猫は、食後に尿が酸性からアルカリ性に寄る傾向があると言われており、日に何度も食事を取ることで、長時間にわたり尿がアルカリ性寄りになる可能性が高くなります。
それにより、尿内の成分が結晶化し尿結石や膀胱炎になりやすいとされています。
適切な食事の回数は、ライフステージによっても変わる
一般的な成猫の適切な食事回数は、1日に2回から3回程度ですが、 どんな猫でも、この回数が適切であるという訳ではありません。 幼く身体が未発達な猫や、逆に老化して身体の機能が衰えてきた猫の場合、 1回の食事で食べられる量は、成猫よりも少なめです。 食べられる量が少ないにも関わらず、食事の回数を成猫と同じにしてしまうと 結果的に1日の食事量が少なくなり、栄養不足に陥ってしまう恐れがあります。 そうならないために、猫の成長段階や状態によって、食事の回数を多めにする必要があるのです。
子猫の場合
生後半年まではなるべく一日の食事回数を3,4回以上にしてください。まだ、胃腸の動きも万全でないため、一度に大量の食事は処理できずに、下痢などの原因になることがあります。
シニア猫の場合
7〜8歳になるとシニア猫の仲間入り。
この時期になると若い時期に比べ内臓や歯、顎の機能に衰えが現れ始めます。ですので、ご飯を与える回数を3〜4回に増やし一度の食事量を減らしてあげましょう。
妊娠期・授乳期の猫の場合
妊娠中の栄養は、妊娠前と比較して多く必要となるので、タンパク質35%以上、脂肪18%以上のフードが必要になります。また、授乳期になると、母猫は子猫に母乳を与えるために維持期の2~3倍のエネルギー量が必要になります。猫はもともと1回の食事量が少ないため、食事回数を多くして栄養補給をするようにします。
食事回数の切り替えは段階的に
ライフステージの変化に伴う食事回数の切り替えは、ゆるやかに行うよう心がけましょう。 昨日までは5回だった食事を翌日からいきなり2回に減らすなどすると、 猫の負担になってしまうからです。 1回に食べられる量が増えてきたと感じたら、徐々に回数を減らしてみたり、 1回にあまり食べなくなってきたと感じたら、少し回数を増やしてみたりと、 愛猫の様子をよく観察しながら、段階的に回数を変化させていくといいでしょう。