犬の近所迷惑対策にペット保険を活用しよう

1.犬の近所迷惑トップ2は排泄と鳴き声


冒頭でご紹介した東京都福祉保健局の調査では、周囲が特に迷惑だと感じる犬の行動についても調査を行い、次の結果となりました。


1位:糞 76.5%

2位:尿 46.2%

3位:鳴き声 41.4%


犬の近所迷惑は排泄と鳴き声に関する項目が上位を占めています。


同調査より、犬を飼っている方の多くが糞は持ち帰り、尿は洗い流していると回答していますが、周囲にお住まいの方の中には歩行中に踏んだ、自宅の塀を汚されたといった不快な経験をしている方が少なくありません。


また、犬の鳴き声に関して東京環境測定センターのデータを見てみると、鳴き声の大きさは90デシベルに相当し、騒々しい工場の中と同じ音量とされています。


犬に対する苦情を減らすためにどのような対応をすればいいのか、次の章から詳しく見ていきましょう。


 

2.犬のご近所トラブルを減らす室内トイレ習慣


散歩をトイレの時間と考える飼い主の方も多いかもしれませんが、実は散歩中の排泄はマナー違反です。2010年に環境省が発表した「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」では、自宅で排泄を済ませて散歩に行くことが推奨されています。


いくら飼い主が持ち帰りや洗い流しを行っても、臭いや成分は染みつきます。そこで、最近勧められているのが室内トイレです。この習慣が身に着けば、散歩に行く前にトイレを済ませることができるため、近所迷惑の心配が一つ減ります。


①.室内トイレのしつけ方法


室内トイレは子犬のときからトレーニングを開始するのが理想的です。しかし、成犬も時間はかかりますが、以下の手順を踏めばしつけることができます。


  1. サークル内にトイレシートと寝床(クレート)を用意する。
  2. トイレシートで排泄したらほめる!その後、サークルから出すという流れを繰り返す。
  3. トイレの回数を記録して、頻度を把握する。

室内トイレのしつけに特別な技術は必要なく、「トイレシーツの上での排泄を成功させる、成功したらほめる!」、「トイレシーツの外で排泄させない、また失敗しても叱らない(無視して片付ける)」の2点を繰り返せば大丈夫です。叱らず、目を離さず、地道に訓練してあげましょう。


②.病気でトイレを失敗することも


足がよろけて室内トイレに失敗する、トイレトレーニング中に便秘、下痢、頻尿、尿が長く出ていないなどの症状が見られるといった場合には、何らかの病気が隠れている可能性があるため、早めの受診をおすすめします。


糞や尿は健康のバロメーターでもあるため、トレーニングをしながら排泄回数や色、量をしっかり確認し、愛犬の異変に早く気づいてあげましょう。


 

3.近所迷惑な吠え方は分離不安やペットの高齢化に伴う痴呆の可能性も


外での排泄行為だけでなく、吠え・鳴き声も犬が起こす近所トラブルの代表といえます。


運動不足の解消やしつけで解決する可能性もありますが、飼い主が外出中の吠えグセや帰宅時の興奮がなかなか収まらない場合は「分離不安症」という病気か、またはペットの高齢化に伴う痴呆の可能性があります。


①.分離不安とは


飼い主と離れる不安から体調不良になり、ストレスから問題行動を起こす状態を「分離不安症」と呼びます。


分離不安症は、成長環境や過去の恐怖体験、生活環境や体調の変化、病気などが引き金となり発症するケースが多いとされています。


②.分離不安に見られる症状


犬が分離不安症の場合は、次のような症状が現れます。


〈飼い主の留守中に起こる症状〉

  • 出かけた後に吠え続ける
  • 下痢、嘔吐
  • 食欲低下
  • トイレ以外での排泄
  • 自分を噛む

〈飼い主の在宅中に起こる症状〉

  • 帰宅時の過度な興奮による粗相
  • 後追い
  • 飼い主の姿が見えないとパニックになる
  • 外出しようとすると激しく吠える

軽い症状であれば、ひとりに慣れさせてあげるなどの対応で改善するケースもありますが、分離不安症は「不安障害」という精神疾患にあたり、症状が深刻であれば、早めに動物病院に相談して治療を受けましょう。


 

4.犬のしつけや健康問題はペット保険に相談できる


これまで見てきた通り、犬の近所トラブルにつながる行動にはしつけと体調が大きく関わっています。それでも迷惑行為をする原因が分からない、どうしつけをすればいいか知りたいという場合には、プロのドッグトレーナーやペット保険での獣医師相談がおすすめです。


ペット保険の中には、ペットの医療費を補償してくれるだけでなく、ペットのしつけや健康について獣医師に電話相談できる特典がついているものがあります。


しつけがうまくいかない、吠え方がおかしいなど、病院に行くほどではないが不安という時には、ペット保険のサービスを活用してみてはいかがでしょうか。


 

5.まとめ


犬に関する近所トラブルのうち、特に排泄行為と鳴き声に迷惑している方が多いようです。


これには、室内トイレを習慣化する、運動不足やしつけで吠えグセを直すなどの対応で改善できますが、室内トイレがうまくいかない場合や吠えグセが治らない場合は病気の可能性も考えられます。


犬の近所迷惑に関するしつけや病気に不安を感じたら、専門家に相談すると安心できるかもしれません。