1.犬や猫がごはんを食べない原因
多くの飼い主さんが抱える悩みのひとつが食欲不振です。まずは、犬や猫がご飯を食べない主な理由を見ていきましょう。
①.病気
いつもと同じご飯を食べなくなったなど、特別な原因が思い当たらない場合は、病気や体調不良が食欲低下に影響しているかもしれません。
口内炎の有無や排泄の回数、遊び方など食事以外にも変わった様子が見られないかを観察し、少しでも異変があればかかりつけ医に相談しましょう。また、犬や猫は我慢強いため、変わった様子が見られなくても不安があれば早めの受診をおすすめします。
②.ストレス
引っ越しや来客、食事場所が変わったなどの環境の変化があると、ストレスが溜まり食事を摂らなくなることがあります。思いあたる節があれば、ストレスの原因を取り除く、ストレス発散を手伝うなどが有効です。
③.老化
高齢になると運動量の低下や消化器官の衰えなどから食事量が自然と減ります。
年を取ったらシニア用のフードに変える、噛みやすいようにふやかすなど、ご飯に工夫をしましょう。
④.嗜好
食事が口に合わない、いつもと同じで食べ飽きたなどの好き嫌いが原因で食べなくなることも考えられます。
その際、食事の時間を15~30分と決めて、口をつけなくても時間になればごはんを片付ける習慣を作ると、出されたごはんを食べるようになり偏食を改善できると言われています。それでも好き嫌いをする場合は、少しずつ混ぜて段階的に食事変更を行うなどの工夫が効果的です。
2.犬がごはんを食べない理由と受診の目安
ペットの中でも犬に限って見てみると、ごはんを食べない理由として多いのは、ストレスの他に2つと言われています。犬が食事しない理由と、病院に相談するタイミングを見ていきましょう。
①.成長期が落ち着いた
一般的に、犬は生後4~5ヵ月で成長が一段落します。それに伴い食事の量が落ち着くと、以前と比べて食べなくなったと感じるかもしれません。
しかし、この時期に過剰なトッピングや食事の変更をすると、肥満になる、飽きやすい性格になるなどの可能性があるため要注意です。他に異常が見られないようなら、いつも通りの食事で様子を見ると良いでしょう。
②.警戒
いつもと違う食事を出すと、匂いに違和感を覚えて警戒し、食べなくなるケースもあります。食事の切り替えは一週間程度かけて徐々に混ぜながら行うことをおすすめします。
③.病気 犬が食べないときの受診の目安
成犬の場合、ごはんを残しても2~3日は様子を見て大丈夫と言われています。しかし、ご飯を半分以上残す日が3日以上続く場合は、早めに病院に連れていきましょう。
また、体力が低い子犬やシニア犬は少しでも気になったら主治医に指示を仰ぐことをおすすめします。
その他にも、嘔吐や下痢などの異常が現れたら内臓疾患が考えられるため、早急にかかりつけ医に相談しましょう。
3.猫がごはんを食べない理由と受診の目安
次に、猫がごはんを食べない理由に多く見られる原因と病院へ連れて行くタイミングをご紹介します。
①.嗜好
ストレスも考えられますが、ネイチャーライフが集計したデータによると、猫が食べない理由の55%はワガママだとされています。
普段と変わった様子がないのにおやつは食べる場合や、新しい食事に切り替えた場合は猫の気分で食事を取らない可能性が高いです。食事変更は1週間から10日程度かけてゆっくりと行いましょう。
②.病気 猫が食べないときの受診の目安
前述したネイチャーライフの統計データでは、猫の食欲不振の原因でワガママの次に多いのは25%で病気とされています。
元気がないように見える、嘔吐や下痢をしているなど、いつもと違う様子が見られたら早めに医師に相談することをおすすめします。また、目立つ症状がなくても食欲低下が続く場合は、以下の時間を目安に様子を見てから、受診を検討しましょう。
月齢1~2ヵ月:8時間
月齢2~3ヵ月:12時間
月齢3~4ヵ月:16時間
1歳以上:24時間
4.高齢化が原因とは限らない
近年のペットは飼育環境の改善や獣医学の進歩などによって高齢化が進んでいます。年を取ると消化器官の老化などによって徐々に食欲が減退するため、前述のようにシニア用フードに切り替えるなど年齢に合った食事を与えることが大切です。
ただ、食欲減退は多くの病気の初期症状でも見られます。病気によるものか、高齢化によるものか判断が難しければ早めの受診を心がけましょう。
合わせて、ペット保険に加入していると安心です。ペット保険には医療費の補償だけでなく、獣医師に電話相談できるサービスがついているものもあります。高齢化による病気のリスクにも備えられるため、ペット保険にまだ加入されていない方は、一度検討してみてはいかがでしょうか。
5.まとめ
犬や猫がごはんを食べないときは、ストレスや老化、気分などさまざまな原因があり、時には病気によって食欲が減っている可能性もあるため要注意です。
犬が食事をとらない理由には成長の一段落、警戒、猫には嗜好、が多いと考えられています。
また、犬と猫の高齢化が進んでいるため、老化による食欲減退も理由のひとつです。年を取ると病気にかかるリスクも高まるため、何か変わった様子が見られたら、早めに獣医師に相談しましょう。