1.すぐに受診を!犬や猫の中毒症状
人間の食べ物や薬などを食べたペットが中毒を起こし、危険な状態になることがあります。
食べた内容によっては命に関わることもあるため、以下のような症状が見られた場合には、すぐに動物病院を受診しましょう。
代表的な共通症状
嘔吐、下痢、急激なよだれ、泡、けいれん発作、虚脱、昏睡などの症状が現れます。
症状の度合は、食べた内容や量、体格によって異なりますが、中毒は時間が経過すると治療が難しくなることも多く、スピーディーな対応が求められます。
原因別の症状
特徴的な症状が現れる中毒物もあり、現場を目撃していない場合に原因を探る手段のひとつになります。思い当たるものがあれば、動物病院に同じものを持参しましょう。
【原因別の主な症状】
- ネギ類:貧血、ふらつき、うずくまり
- チョコレート:不整脈、心不全、呼吸困難
- タバコ:よだれ、呼吸速迫、意識混濁
- 人間の薬:貧血、肝臓障害、興奮、運動失調、胃腸系の障害
- 殺虫剤系:胃腸系の障害、緑色の嘔吐物や下痢
- 殺鼠剤系:よだれ、興奮、呼吸困難
応急処置の方法
まずは、すぐにかかりつけの動物病院へ連絡し、獣医師の指示を仰ぎましょう。自己判断での処置は悪化させる可能性が高いため、控えることが重要です。
嘔吐をさせる、水をたくさん飲ませるなど、摂取した内容によって対処法は異なります。
嘔吐の誘発は「塩水を飲ませる」という方法がありますが、量を間違えると食塩中毒を起こす危険性があるため、必ず獣医師の指示に従いましょう。
処置後は嘔吐物の写真を撮り、食べたものの成分が記載されたパッケージを持って速やかに動物病院を受診しましょう。
2.犬や猫が食べてはいけないもの
人に害のないものは大丈夫と、安易に考えている方も多く、人間用の薬やお菓子などを与えて犬や猫が中毒を起こす話も珍しくありません。
タバコや殺虫剤など、明らかに危険なものと同じように、身の回りにある食品にも十分な注意が必要です。手作りフードやオヤツを与える際は材料を必ずチェックしましょう。
以下で紹介するのは、犬や猫が中毒症状を起こす代表的な食べ物です。
【食べてはいけない食べ物】
- ネギ類(玉ねぎ、ネギ、ニンニクなど)
- ぶどう、レーズン
- チョコレート
- キシリトール成分(ガム、歯磨き粉、ピーナッツバター、ミントなどに含まれる)
- 人間用のソーセージ、ハム
- 味噌汁(中毒性のある具材や塩分過多に注意)
- イカ、タコ
- カニ、エビ、二枚貝(ハマグリなど)
- アボカド
- ナッツ類
- 柑橘類
- アルコール飲料
- 人間用の薬
犬や猫が好みそうなものもありますが、人間の食べ物や摂取する物を気軽に与えない様に注意しましょう。
3.犬や猫を中毒にさせないための対策
ペットの中毒対策は、原因になる薬や食べ物などの管理徹底と、中毒の発症に備えておくことが重要です。
対策①.人間の食べ物や薬を絶対に与えない
人間の食べ物や薬は大変危険です。うっかり与えてしまわないように、こどもを含めた家族全員で危険物の情報を共有することが大切です。危機意識を持って、対策を日常的なものにすると中毒のリスクは大幅に削減できます。
また、ペットが人間の食べ物を欲しがらないように、欲しがっても与えない姿勢を徹底しましょう。
対策②.安全な環境づくり
ペットの中毒は、飼い主の留守中や目を離している部屋などで発生することもあります。
薬やタバコは引き出しに入れる、風呂掃除中はドアを閉めて洗剤はすぐに届かない場所にしまうなど、ペットが触れられない状況や保管場所を作り、管理を徹底しましょう。観葉植物を飾る場合は害がない種類かどうかを必ずチェックして、ペットにとって安全性の高いものを選ぶことが大切です。
また、アロマオイルも犬や猫にとって危険なものがあります。観葉植物と同じように安全が確認できる種類を使用しましょう。
対策③.違和感があればすぐに病院へ
中毒治療は迅速な対応がなにより重要です。少しでも怪しいと感じたら、迷わず動物病院に相談しましょう。
自己判断による処置は、更なる危険を招く可能性もありますので、必ず獣医師の指示をまって対応することが大切です。
対策④.ペット保険のサポートを活用する
留守中の誤飲など、どんなに気をつけていても中毒は避けられないことがあります。
中毒の治療はスピードに加え、手術などの高度な医療処置が必要とされることも珍しくありません。突然の医療費への備えとしてペット保険に加入しておくと安心です。
また、ペット保険によっては、獣医師にペットのしつけや健康の電話相談ができる加入者特典などもあり、中毒対策や受診を悩むような時にも頼れる存在になります。
4.まとめ
好奇心旺盛な犬や猫は、目についたものを口に入れて確かめようとする習性があるため、中毒には常に注意が必要です。
犬や猫にとっては人間の食べ物や薬も大変危険です。情報は家族で共有し、しっかりと管理対策をしましょう。
また、中毒治療はスピードが重要です。少しでも違和感があれば動物病院に連絡し、緊急手術などに備えてペット保険にも加入しておくと安心です。