1.里親になるための条件と心構え
保護団体が里親に求める項目は、最期まで愛情をもって飼育することはもちろん、予防接種や避妊処置、全家族の同意、子供の同居不可など、多岐にわたり、厳しすぎると感じる方もいるかもしれません。
しかし、保護された犬や猫のほとんどは虐待や放棄などの悲しい過去があります。「二度と不幸な思いをさせない。」そういう想いから、里親には厳しい条件が求められています。
2.保護犬や保護猫がペット保険に加入するために必要なこと
保護された犬や猫を引き取る場合は、今後の傷病に備えてペット保険を検討しましょう。
健康状態や既往症の確認さえできれば、問題なくペット保険に加入できます。保護団体から引き取った場合、団体から健康状態についての情報を受け取ることができますが、もし情報が得られなかった場合は、必ず健康診断を行いましょう。
それでは、ペット保険に加入する際の確認ポイントを3つご紹介します。
ポイント①.健康状態と過去の病歴
健康状態や過去の病歴が不明な場合は、すぐに健康診断を受けましょう。
先天性の病気や現在の現行状態を知ることは、今後の健康管理においても重要です。病気の早期発見や将来かかりやすい病気のリスク管理にもつながります。
ポイント②.年齢
保護された犬や猫の中には誕生日や年齢が分からない子もいます。ペット保険は年齢によって保険料が変わるため、獣医師に推定年齢を割り出してもらいましょう。
年齢に誤りがあった場合は保険金の支払いに影響する可能性があります。
誕生日については、分からない場合は迎え入れた日や記念日などで新しく設定しても問題ありません。
ポイント③.予防接種の有無
保護団体からの譲渡では予防接種を済ませていることが大半ですが、予防接種の有無が不明な場合は必ず確認し、未接種であれば早急に接種しましょう。
予防接種で防ぐことができる病気の医療費は、ペット保険の補償対象外となる場合がほとんどです。愛するペットの健康のためにも、予防接種は欠かさないようにしましょう。
3.ペット保険に加入できないケース
保護犬や保護猫であってもペット保険の加入は基本的に可能ですが、健康診断の結果次第では加入できないケースがあります。
その代表的な例をご紹介します。
ケース①.新規加入年齢を過ぎている
ペット保険は「新規加入年齢制限」を設けているところが多く、7~12歳以上になったペットは加入を断られるケースがあります。
保護されたペットの中には、引き取った時点で7歳を超えている子もいます。保険会社により、設定年齢に違いがありますので、高齢でも加入できる保険を探してみましょう。
難しい場合は、万全の健康管理と貯蓄で今後の医療費に備えることが大切です。
ケース②.現在治療中の傷病がある
複雑な過去をもつ保護犬や保護猫の場合、ケガや持病があるケースもあります。
ペット保険は健康体が加入条件のため、治療中や経過観察中の傷病があると保険の加入は見送られることが一般的です。
完治から数か月経過し、健康が確認されれば申し込みできますので、まずは治療をしっかり行い、完治後に保険会社に相談してみましょう。
ケース③.告知対象の傷病にかかった
病歴がある犬や猫を引きとった場合は、保険会社の告知対象の傷病を調べてから申し込むとスムーズです。
慢性疾患や完治が難しい重篤な病気であれば、告知対象に指定されていることがあり、完治していても加入できない、あるいは関連する疾病や部位が補償対象外となる可能性があります。
この告知対象にあたる病気や引き受け条件は、保険会社ごとに内容が異なりますので、ペットの病歴に合わせて複数の保険を比較しましょう。
4.里親に求められる健康管理とメンタルケア
保護犬や保護猫の多くは、劣悪な環境での飼育や飼い主から捨てられたなどの辛い経歴をもっています。
保護団体から譲り受けて里親になる飼い主は、こうした背景を理解してあげる必要があります。ペットの健康や行動に不安を覚えることも少なくありません。
ペット保険は医療費の補償だけでなく、いつでも専門医へ電話相談できるサービスなど様々な特典が付帯しています。こうしたサービスをうまく利用し、ペットも飼い主も安心して生涯を過ごせる環境を作り上げていきましょう。
5.まとめ
保護犬や保護猫でも加入条件を満たしていれば、ペット保険に加入することができます。
保険に加入できる第一条件は健康です。健康診断や予防接種を受けずに引き取った場合は早急に受診しましょう。その際に年齢や過去の病気も必ず確認しましょう。
保護されたペットの悲しい過去を理解し、生涯安心して過ごせる環境を整えてあげることも引き取った里親の大事な役割です。ペット保険は医療費の補償や相談役として、今後の助けになるはずです。