ペット保険の補償割合の基本と考え方

1.ペット保険と補償割合


ペットには人間が加入しているような公的な保険がなく、医療費は全額自己負担となり、大きなケガや長期の治療が発生すれば、飼い主に大きな経済的負担がかかります。


そのような負担を軽減するためにペット保険がありますが、支払われる保険金は補償割合(保険金支払割合)によって、変わってきます。


私たち人間の保険では、医療費の3割が自己負担となり、残りの7割は健康保険から補償されるのが一般的ですが、ペット保険は、保険から補償される割合を選択できるのが特徴です。


 

2.補償割合の考え方


ここでは、補償割合(保険金支払割合)を踏まえたペット保険の選び方をご紹介していきます。


考え方①.割合は保険の考え方で変える


補償割合(保険金支払割合)の選び方は、保険に対する考え方で大きく異なります。


例えば、ペットのために貯蓄をしており、「もしもの時は保険も使える」というサポートが目的であれば、50%など少ない割合で良いかもしれません。逆に、大部分を保険で賄うのが目的であれば、70%を選ぶ形になります。


ただし、補償割合(保険金支払割合)が大きくなると、毎月支払う保険料も高くなるため、保険の活用方法と保険料を踏まえて、ライフスタイルに適したプランを選択しましょう。


迷ったときは、ペット保険の主流になっている50%や70%を選ぶと良いかもしれません。補償割合(保険金支払割合)は無理のない範囲で加入し、万が一の時の医療費を支払える準備をしておくことが、最も大切です。


考え方②.補償範囲を絞る選択肢もある


補償割合(保険金支払割合)が大きいほど、毎月支払う保険料は高くなりますが、補償割合(保険金支払割合)の比率をむやみに下げると、期待する補償内容とかけ離れたものになってしまう恐れもあります。


もし、保険料が気になる人は、補償範囲を「入院+手術のみ」などに絞るのも有効な手段です。


ただし、一度保険に加入するとコース変更が難しいため、加入前に慎重に選ぶ必要があります。


考え方③.ペットの年齢や暮らし方で変える


補償割合(保険金支払割合)は、経済状況だけでなくペットの年齢や暮らし方で決めることもあります。


例えば、ペットが高齢であれば病気のリスクが高く、今後も加齢による罹患、および高額な医療費が必要になる可能性が高くなるため、補償割合(保険金支払割合)が大きい方が安心と考える人もいます。


また、室内で暮らしており事故などのリスクが低い場合は、補償割合の小さな保険でも良いかもしれません。


 

3.補償割合の注意点


続いて、補償割合(保険金支払割合)の注意点も見ていきましょう。


注意点①.契約期間中の変更は困難


契約期間中に補償割合(保険金支払割合)を変えることは難しいです。


多くの場合、補償割合(保険金支払割合)を変更するためには、現在の契約を解約し新規で再度、保険に加入する必要があります。 その際、保険の契約が開始してから実際の補償が開始されるまでの、保険金が支払われない待機期間が発生することも少なくありません。


注意点②.免責金額が設定されていることも


免責金額が設定されていると、想定より補償される金額が少ないこともあるため注意が必要です。


例えば、免責金額が1万円で設定されている場合、1万円未満の医療費は補償されません。


通院1回あたりの医療費が少額になると予想される場合は、1円からでも補償が発生する「免責金額なし」の保険も合わせて検討しましょう。


注意点③.補償対象外や引き受け不可の可能性も


ご紹介したように、契約期間中に補償割合(保険金支払割合)を変更したい場合、新たに加入する形になりますので、ペットの健康状態を改めて告知しなければならないケースがあります。


つまり、現在の健康状態や病歴によっては、再加入不可や一部の傷病が補償対象外となってしまうことがあることを、念頭に置いておきましょう。


 

4.まとめ


補償割合(保険金支払割合)は、保険に対する考え方やペットの年齢、ライフスタイルなどを考慮すると最適な選択ができます。


保険加入後の変更は難しいため、新規加入の段階で補償割合(保険金支払割合)をしっかり固めておくことが大切です。