ペット保険とは?必要性や補償範囲を紹介

1.ペット保険とは


ペット保険とは、ペットがケガをしたり病気になった際に動物病院でかかった医療費を補償してくれるものです。 ペットには公的な健康保険がないため、ケガや病気の治療を受ける際の医療費は100%自己負担となってしまい、家計を圧迫することも少なくありません。


そうした、もしもの時の負担を軽くしてくれるのが、ペット保険です。


飼育環境や医療技術の向上により、ペットの平均寿命も延びていますが、病気やケガのリスクは常にあり、長生きすることで発生する新たな疾患リスクもあります。また、高度医療を受ける場合は、まとまった医療費も必要になります。


2.ペット保険の普及率


2016年時点で、ペット先進国であるイギリスのペット保険加入率が40%台であるのに対し、日本では4%台と10分の1程度にとどまっています。※1


ペット保険はスウェーデンで誕生し、ヨーロッパやアメリカで普及が進んでいきました。例えばスウェーデンでは、コンビニなどでも手軽にペット保険に申し込める環境ができており、身近に感じられることも普及を後押ししているのかもしれません。


日本でペット保険が始まったのは、日本ペットオーナーズクラブ社長の野川亮輔氏が、同社で「ペット共済制度」の販売を開始したのが始まりとされています。その後、各社が独自のサービスを展開し、多数のペット保険が生まれました。


最近では、「ペットと暮らすことが決まったときに保険に加入する」というスタイルが浸透しつつありますが、加入率はまだまだ高くありません。


※1参照:(日本動物高度医療センター“ペット向け高度医療施設として存在感高まる”[ペット保険の普及に期待(p.7)]の一部を抜粋.日本動物高度医療センター.2016.9.26. https://www.jpx.co.jp/listing/ir-clips/analyst-report/detail/nlsgeu000001xyff-att/ana_in_6039_20160926_1.pdf(参照2019-05-25).)


 

3.ペット保険が必要な理由


ここからは、ペット保険が必要な主な理由を3つご紹介します。


理由①.治療の負担額が減る


ペット保険に加入すると、保険の範囲内で医療費を負担してもらえるため、自己負担額を減らすことができます。


ペットの医療費は思ったより高額となることが一般的です。例えば、動物病院や症状によっても変わりますが、椎間板ヘルニア手術や腎不全の治療などを行う場合には、数十万円もの医療費が必要になることもあります。


仮に、手術で40万円(税抜)必要だった場合、支払割合70%の保険に加入していると、自己負担額を12万円(税抜)まで抑えることができます。(免責金額のないペット保険に加入し、上限金額を超えていないと仮定)


理由②.治療方法の選択肢が広がる


高度医療が必要な時や、継続した診察・処置が必要な場合に生じやすい問題として、医療費があります。


病状やケガの状況に応じた治療を続けることで完治できるものや、経過観察により導き出されるベストな治療方法があったとしても、医療費という経済的な事情でそれらを選択できないとなれば、愛するペットの飼い主として非常に辛いこととなります。


ペット保険に加入していると、自己負担額を減らせるため、そうした問題を軽減でき、最善の方法を選択しやすくなります。


理由③.早期発見・早期治療につながる


ペット保険に加入していると医療費の自己負担額が減るため、ちょっとした変化が気になったらすぐ動物病院に連れていくことができるようになります。


一見して元気そうに見えても、言葉を話せないペット達の些細な変化は病気が隠れているケースが非常に多く、もし病気にかかっていた場合は早期発見がとても重要ですので、経済的な面で心理的ハードルが下がることは、ペットの健康管理や早期治療につなげる上でとても大切です。


早めに獣医師の診察を受けることで、完治までの日数や医療費に大きく影響するだけでなく、ペット自身に苦しい思いをさせてしまうことを減らすことができます。


 

4.ペット保険の主な補償内容


最後に、主な補償内容を簡単にご紹介していきます。


基本的には、ケガや病気の「予防」に対して保険が支払われることはなく、ケガや病気で治療を受けた費用に対して適用されます。適用されるケガや病気にも条件があるため、ペット保険を検討する際には事前に確認しましょう。


また、補償範囲は「通院・入院・手術」の3つが基本ですが、「通院のみ」や「入院と手術のみ」など、選択できるケースも少なくありません。補償割合(保険金支払割合)に関しても、保険会社により異なるため保険料などから自身に合ったものを選ぶようにしましょう。


他にも、保険金の支払回数・利用回数に制限があるもの、支払金額に上限があるもの、免責金額が設定されているものなど、保険によって内容が変わってくるため、事前に確認することをおすすめします。


 

5.まとめ


ペット保険は、高額になりがちな医療費の一部を補償するものであり、ペットの健康管理や最善の治療方法を選択する際の助けになります。


補償内容や保険料などをしっかり確認し、万が一の時に備えてみてはいかがでしょうか。