自転車×パン。
……というと、ちょっと意外な組み合わせかもしれませんね。でも実は食いしん坊系ポタリング(散走)では、王道のコンビなのです。その理由は以下に挙げられます。

・美味しいパン屋は住宅街にあり
・自転車で走ったときに使うエネルギーを補給できる
・甘いものもしょっぱいものも両方が揃っている
・ケーキや和菓子のように持ち運びで崩れにくい

そんな現実的な理由もあるのですが、ちょっとイメージしてみてください。斜めがけにしたサコッシュからちょっと顔を覗かせるフランスパン。
そう、このイメージ!! パリジェンヌっぽくありませんか!?

パリではパンは日常生活に欠かせないものだから、気軽にさっと買って帰る。実際のパリの街角でもバゲットが袋からはみ出しちゃっても気にしない、そんな姿が絵になります。

通勤ラッシュのある東京ではなかなかそうはいかないのですが、だからこそ休日にパン屋を巡ることが特別なレクリエーションになりうるのです。

そのパン屋巡りに活躍するのが、先に挙げた理由の自転車というわけです。クルマだと駐車場のことを気にしないといけないし、公共交通機関&徒歩では住宅街の移動は大変ですよね。自転車なら、「晴れているし気持ちがいいから、近くの公園まで走って外で食べよう!」なんてことも気軽にできてしまいます。

クラストのきいたバゲットのサンドイッチはランチ代わりに、お菓子のようにバターたっぷりのヴィエノワズリーは持ち帰らずに焼きたての繊細さをその場で味わう。お土産にはクルミとフィグのはいったパンを選んでワインのおつまみに、なんてのもありかも。

ちょっと自転車で出かけたくなりませんか?
© Creative Commons Zero (CC0)

世田谷&目黒で見つけた、絶品パンの店5選

世田谷&目黒界隈は、言わずとしれた日本有数のパンの激戦区。そのレベルの高さはひょっとしたらパリにも匹敵するかもしれません。しかもどの店も住宅街近くにあり、暮らす人たちの日常に溶け込んでいるという点で、まさに本場パリのエスプリを感じます。

今回紹介するのは、そんな中から「BREAD LAB」の入江葵さんと多東えりかさんが選んだ5軒です。BREAD LABとは、2013年より始まった青山パン祭りの主催やパンや酵母などのワークショップを開催するなどの活動をしています。おふたりのパンLOVE♡なコメントもいただいてますので、参考にぜひどうぞ。

ボネダンヌ

国道246号線から三宿の住宅街へと入ったところにあるブーランジェリー。エントランスのレタリング文字も床のモザイクタイルも「あ、パリみたい!」と、ディテールにぐっと引き込まれます。かりっとクラストのきいたバゲットサンドが自慢ですが、繊細なヴィエノワズリーも見逃せません。せっかくのサクサクの生地を崩してしまわないよう、こればっかりはサコッシュに入れる前に食べてしまいましょう。Facebookで新作情報も発信されているので、行く楽しみが増えます。

BREADLAB’s コメント
「パリのブーランジェリーを思わせる小さなパン屋さん。フランスで修業したシェフが現地で吸収したエッセンスを表現した店内には、早朝から焼き立てパンが並ぶ。フランスの日常には欠かせないジャンボン・ブールのバゲットサンドイッチがいち押し!」

Les 5 Sens

パリの老舗ブーランジェリー「ポワラーヌ」でも職人をしていたデリアン・エマニュエルさんがグランシェフを務めるお店。ゆえに本場フランスで食されているような多彩なパンが並んでいます。石窯を使って焼き上げたバゲットも伝統的なトラディションと、リンゴの皮で起こした天然酵母を使ったカンパーニュと2種類あるこだわりよう。パンは対面式で販売しており、お店の方にパンのことを聞きやすくなっています。お土産や携行食にはガレットブルトンヌなどの焼菓子がぴったりです。


BREADLAB’s コメント
「青色のひさしが目印のブーランジェリーには、フランス語で「五感」を意味する店名の通り、食べ手の感性を刺激するパンが並ぶ。厳選した素材と伝統的な製法のパンづくりにこだわる。人気ナンバーワンのクロワッサンは発酵バターの豊かな香りがたまらない」

Griotte

米粉やオーガニック小麦、甘酒の自家製酵母使うなど、ヘルシーなパンが魅力のひとつ。そういった素材を味わうシンプルなパンもおすすめですが、せっかくフレンチの元シェフが作っているお店とあらば、食事系パンを食べてみたいもの。駒沢公園の真横というのもパンポタリングには絶好のロケーション。地下にあるイートインスペースも利用できますが、買ったパンを青空の下で食べると、気分はすっかりピクニック!


BREADLAB’s コメント
「駒沢公園の表通りにあり、フレンチ出身のシェフが腕をふるうパン屋さん。とはいえ、フランス風ばかりではなく、美味しい!を自由に表現されたパンが並ぶ。かっこよく焼き込まれたカンパーニュの隣には米粉を使ったパンドミが。これでもかという程のボリューミーなクロックムッシュは出会えたらラッキーなメニュー」

Toshi Au Coeur du Pain

毎年パリに視察に行くなど、自身の店を開いてもなお探求熱心なブーランジェの川瀬敏綱さん。Facebookでも試作の様子を伝えるなど、日々ブラッシュアップしていることがうかがえます。店名の「Au Coeur du Pain」とは、「パンの心臓、中心、心に」というニュアンスを持つフランス語。パン愛がビシバシと伝わってきます。そんな気持ちのこもったバゲットが170円というのも、日常に根ざしたフランスの食文化への思いからでしょうか。サンド系から甘い系まで、全方位でフランスを味わいたくなるお店です。

ちなみにオリジナルのエコバッグは斜めがけできるサコッシュ仕様。バゲット2本が入る長いタイプもあり、パン好きの自転車乗りには見逃せません!


BREADLAB’s コメント
「フランスのパン文化をそのまま伝えたい」と朝は6時からオープン。店の顔となるのはシェフがパリ修業時代に毎日食べていたバゲット。一日中焼きつづけ、日夜多くのファンに愛されるパンだ。他にも朝のクロワッサンやパンオショコラなども絶品!」

ARTISAN BOULANGER CUPIDO

料理修業で訪ねたフランスで食べたクロワッサンで、パンに魅せられたというシェフの東川 司さん。フランス産小麦と石臼挽きをパン作りの柱とし、そこに合う酵母や塩などを選んでいくそうです。そして人気なのが、フルーツに彩られたヴィエノワズリー。見た目からも伝わってくる層の美しさは、口に入れたときの音まで浮かんできそう! このほかにもオードブルプレートなど食事にもなるお惣菜があり、パンと併せて持ち帰ってディナー代わりにするのも素敵です。


BREADLAB’s コメント
「扉を開けた時の幸福感をぜひ味わってほしい一軒。美しいデニッシュやクロワッサン、量り売りのカンパーニュやショーケースのバゲットサンドウィッチ。フランスのパン屋の様においしいお総菜もあるので(席は少数だがレストランも併設)、パンのある食卓を存分に楽しめる、愛すべきパン屋さん」

おわりに

自転車×パンの楽しみ方、伝わったでしょうか?

おつかい感覚でさっとひとりで気軽に出かけるもよし、友達と一緒にまわってあれこれ食べ比べをするもよし。世田谷&目黒に限らず、例えば、郊外で開かれているマルシェのパン屋目指してサイクリング!なんて小旅行のテーマにしてしまうのも、自転車ならではのフットワークの活かし方です。

いずれのお店も住宅街にあるので、駐輪のマナーや歩行者にも気をつけながら、自転車でのパン巡りを楽しんでいただければと思います。