お洒落なカッティングボードにパンを乗せて、二階へと上がります。 生地の中にそばの実が入ったもっちりした食感の「オレンジマフィン(140円)」。素材の甘さそのままのオレンジピューレとマッチしていて、思わず笑顔がほころびます。美味しい。 「カルダモンロール」は、ほんのり甘い生地で、カルダモンのピリッとした清涼感が口に広がる、ちょっぴり大人の味。これを朝食にできれば、それだけでいつもと違う朝が迎えられそうです。 リーズ ブレッド (Lee's Bread)/茶屋町Cafe&deli 大磯町大磯1156-10

楽しみだった休日なのに何も手がつかなくて、リフレッシュに失敗したまま憂鬱な月曜をむかえるあなたへ。 おいしいパンとランチを古民家カフェで食べに行きませんか。 湘南・大磯で、誰にも何にも気を使わない、自分のためだけの「ゆる旅」で心のデトックスをするための、ガイド代わりの体験記です。 都会にいて大量の情報の中で毎日を忙しく過ごしていると、どんどん自分のことが分からなくなっていき、疲れていることすら気がつかなくなっていきます。今回の大磯の旅は、必死で走り続けている自分にストップをかけるいい機会となりました。 「なんだか分からないけど疲れてる」なんて女性は、自分自身をリセットするために大磯を訪れて見てはいかがでしょうか。

湘南の海を見に行きませんか。 毎日仕事をがんばって、お化粧や身だしなみもがんばって…家事もがんばって…がんばり疲れたあなたへ。計画も予約も、何もしないゆる〜い日帰り旅に行きませんか。 楽しみだった休日なのに何も手がつかなくて、リフレッシュに失敗したまま憂鬱な月曜をむかえるあなたへ。おいしいパンとランチを古民家カフェで食べに行きませんか。 湘南・大磯で、誰にも何にも気を使わない、自分のためだけの「ゆる旅」で心のデトックスをするための、ガイド代わりの体験記です。

なぜ、大磯なのか

湘南、といってもエリアごとに雰囲気は全く異なります。逗子や藤沢など観光スポットの多い東側のアクティブな空気も素敵ですが、今回は静かで落ち着いた海で心身ともに癒しを求める旅にしたいので ・都内から東海道線で一本とアクセスが良い ・駅から海が近い ・大きな観光スポットがなく人ゴミがない ・明治時代の痕跡が残る、静かで緑豊かな町並み ・個性的でお洒落な個人ショップが多い 以上の理由から、大磯に決めてみました。

シェアサイクルで巡る湘南・大磯

旅の目的は、ノープランで海の町をぷらぷらすること。バスの移動もいいけれど、行きたいところに時間に縛られずに移動をしたい場合は、自転車が実は一番。最近大磯に導入されたというシェアサイクル「mobike」を使うことがオススメです。 サイクルポートは駅前の駐輪場と、大磯港。好きなところで借りて、好きなところで返せるという便利さは、計画のない旅にはピッタリです。

自分の自転車を持っている人はミニベロなど、タイヤが小さい小径車と呼ばれるタイプがこういう旅には気軽です。気になった景色があればさっと停まることができるから。

行列ができる人気パンを町家カフェでいただく

まずは、天然酵母のパン屋「Lee’s Bread」へ向かいます。地元の人が「大磯に来るなら、ここのパンは絶対オススメ」と太鼓判を押すのだから行かないわけにはいきません。 休日の「Lee’s Bread」は行列ができるほどの人気だそうで、パンが売り切れという事態だけは絶対に避けたい…到着したら一番に立ち寄ると決めていました。「どんなパンがあるのだろう」私の食いしん坊根性のおかげで、枯れ果てたと思っていた気力がむくむくと湧いてきました。

駅を出て西に向かい、小さな路地に入るとおしゃれな古民家の町屋が目に入りました。 大磯は、明治時代の政治家や文化人たちが別荘地として利用したお屋敷町。ここは元首相番の記者たちが集まる小料理屋の建物を改装したギャラリーだそうで、古き良き時代の風情が残る街並みです。

石畳の先に「Lee’s Bread」の看板を発見。小麦が焼ける香ばしい香りに惹かれるまま、カラカラと木の引き戸を開けて中に入ります。

カウンター越しに次々と並べられる形のちがうパンたち。大きなカンパーニュやバゲット、 フォカッチャやマフィン。他のパン屋ではあまり見ない、素朴だけれども個性的な形のパンに心が踊ります。フルーツや野菜が載ったパンは色華やかでまるで雑貨のよう。

▲3種類のオリーブをミックスした天然酵母のパン「オリーブ(¼ 350円、½ 700円 ホール1,400円)」。「いちじくのアニスシード(300円)」。 「あれも美味しそう、これも食べたい」「全部は無理だからどれかは持って帰ろうかな…」パンを選んでいるこの時間って、なんて幸せなのでしょうか。すっかり時間も忘れて夢中になってしまいました。

▲今日のおすすめを聞くと、ひとつひとつ素材や工程を説明してくれるリーさん。「どれも美味しいから全部おすすめになっちゃうね」と笑顔。自家製の天然酵母で、パンに入れる素材選びも徹底してこだわるのが人気の理由。

併設の『町屋カフェ』でイートインできるので、買ったパンのうち2つはここで食べて、あとはお土産に。カウンターでドリンクを選びます。

紅茶にこだわる、町家カフェX茶屋町カフェ

ここ茶屋町エリアは、もともとお茶屋さんがあった地区。茶葉にはこだわりがあるとのことで「紅茶」がおすすめ。いつもはコーヒー派の私ですが「茶葉の香りを嗅いでみますか?」と声をかけていただいたので、じっくりとメニューを選ぶことにしました。 「私が好きな香りはどれかしら?」嗅覚を研ぎ澄ませて、ひとつひとつ慎重に茶葉を選ぶこの時間もまた贅沢なひとときです。爽やかな香りの中に渋みを感じる、インド・ダージリン地方名門農園の「キャッスルトン(500円)」をオーダーしました。

https://www.facebook.com/leesbread4u/

大磯のビーチで海を眺める

パンで小腹を満たしたので、本命の海へと向かいます。大磯駅から500mほど南へシェアサイクルで移動すると「大磯海水浴場」に出ました。この自転車はBromptonというイギリス産の折りたたみ小径車です。

▲日本で初めての海水浴場でもある「大磯海水浴場」。

海水浴のシーズンは人で賑わうそうですが、オフシーズンの今は黒いウェットスーツのサーファーたちがボードに乗って波を待っています。

▲BD-1という折りたたみ小径車は走行性能がロードバイク並。波が気になるサーファーたち。 広い海と広い空をながめているだけで、頭の中にあったモヤモヤがするするとほどけて流れ出ていくように感じます。 サーフボードを抱える裸足のサーファーや、ココナッツオイルの香りがする日焼けをした女性、釣りをする人々、寄せては返す白い波、海鳥の声…。彼らはこのゆるさが日常なんだと思うと、ふと「何をそんなに焦っていたのだろうか…」なんて感情が湧いてきました。

▲左手の遠くには江ノ島が。観光地から距離を置く旅というのもまた特別。

せっかく自転車を借りたので、太平洋自転車道で2.5kmのサイクリングです。この自転車道には小高いところを通る箇所があって(おかげで少し坂がきついですが)、相模湾のダイナミックなパノラマが臨めます。

まっすぐにひたすら海沿いを自転車で走らせるだけでこんなに気持ちがいいなんて。日常のことも仕事のこともすっかり忘れて、頭が空っぽになる瞬間。私が休日に求めていたのは、煌びやかでショーケースの中に並ぶバッグでも有名レストランのサービスでもなく、これだったのかもしれません。 頭も空っぽになりましたが、サイクリングで身体を動かしたのでお腹も空っぽ。そろそろランチタイムです。

柴の看板犬がお出迎え。雑貨屋SARAでプレートランチ

次に向かったのは『湘南雑貨屋SARA』。藤沢で雑貨屋をしていた藤田さんが、大磯の古民家物件を仲間たちの手を借りてリノベーションして始めたカフェと雑貨店です。

玄関までいくと奥から「ワオワオ」と高い鳴き声とともに小柄な柴犬がお出迎えしてくれました。看板犬のルッコラちゃんはちょっと恥ずかしがり屋のようで「このお客さんはどんな人なのかな?」と私の様子をうかがうように周りをうろうろ。その可愛さにいきなりノックアウトされてしまいました。

湘南らしいナチュラルなリネン生地のスカートや、職人が丁寧に染め上げたブラウスなど、手に取ってみたくなる洋服に、ホーローのお鍋やガラスの保存容器。「これを使って何をしようかな?」と思うような雑貨ばかりで、目を奪われます。

▲平家の天井と壁をぶち抜いた開放的で明るい空間。

▲中庭から入る涼しい風が気持ちいい。 大磯は明治時代以降、伊藤博文や大隈重信など政治家や作家たちが別荘地として利用した「邸園文化」の地。春の邸宅・庭園に花が咲く時期に120ヶ所のお宅でお庭を公開する「オープンガーデン」が開催されています。SARAのお庭もオープンガーデンのひとつで、お庭にはミモザの花が満開でした。 ◼︎大磯オープンガーデン 2018 http://open-garden-oiso.wixsite.com/home

私がお庭を眺めていると、ルッコラちゃんが先に庭に降りて「ついておいでよ」と鼻をスンスンと鳴らします。わたしも庭に降りて、新緑の草木の香りを思いっきり吸い込みます。

さて、お待ちかねのプレートランチ。豚肉煮、春巻き、サラダ、スープ、ご飯にドリンク付きの「チャイニーズプレート(1200円)」にしました。どのおかずも丁寧に手作りされているのが分かる優しい味です。

ドリンクは、いちごの「酵素ジュース(400円)」。炭酸水のシュワっとした感覚と、いちごの甘い香りが口の中に広がり、サイクリングで汗をかいた身体にじわーっと染み渡っていくようです。 ランチを食べながら、ぼーっとお庭を眺めているだけであっという間に時間が過ぎていきました。

▲帰る支度を始めると、ルッコラちゃんがトコトコやってきてちょっと寂しそうにしてくれた。「また来るね」。

ギャラリーやショップが集まる大磯市も

毎月第3日曜日は、大磯全体が市になる「大磯市」が開催されるそうです。ワークショップや、地元でとれた無農薬農園のお野菜や手作りアクセサリー、クラフト、フード関連など190店舗が出店。NPO法人大磯ガイドボランディア協会による史跡名所を巡るツアーもあり、大磯市がゴール。 文化人たちの邸宅を巡ったあとに、大磯の魅力がつまった「大磯市」でのんびりお買い物を楽しむ旅なんていうのも素敵ですね。 大磯市 https://www.oisoichi.info/

週末の日帰り旅で完全オフの癒しの時間を

大磯の海も町も人も、うまく言えませんが「ほどよい距離感」がありました。静かだけどそこで暮らしている人たちには活気があって、みんな身の回りの物や自分たちの生活を大切にしています。