高齢の猫に保険加入が必要な理由と保険の選び方

1.高齢猫でも保険に加入できる?


どのペット保険にも新規加入年齢という年齢制限が設けられており、8~12歳を上限としていることが一般的です。多種多様の保険があるので例外もありますが、基本的には12歳までが目安となります。 もし、すでに新規加入年齢を超えている場合は、万が一に備えて貯蓄などを検討しましょう。


また、年齢以外にも加入に影響する条件があり、例えば、アトピー性皮膚炎や外耳炎など保険会社が告知対象としている病気の罹患歴がある場合、一部補償対象外となる条件が付加される、あるいは加入不可となる可能性も出てきます。


 

2.高齢猫に保険は必要


年齢を重ねるにつれ新規加入が難しくなることもありますが、高齢の猫は今後、病気のリスクがより一層高まるため、できる限り、保険の加入をお薦め致します。。


公益社団法人日本獣医師会の「家庭飼育動物(犬・猫)の飼育者意識調査(平成27年度)」によると、高齢猫の動物病院の平均利用頻度は、7~12歳が5.6回/年、13歳以上が8.8回/年とされており、高齢化により猫の病気のリスクは急激に高まることがわかります。


 

3.高齢猫の保険選び


ここからは、高齢猫におすすめしたい保険の選び方をご紹介します。


選び方①.支払限度額・支払回数


猫も高齢になると、通院や手術、入院のリスクが高まるため、支払限度額や回数制限に着目し、健康状態や経済的な事情にあったものを選びたいものです。


支払限度額は、入院・通院・手術それぞれの補償に対して、「1日あたりの限度額と年間の限度額」を設定しているタイプと「年間の限度額のみ」を設定しているタイプがあります。


支払回数は、「年間最大何日または何回まで」といったような利用制限付きと「回数制限なし」の2つのタイプから選択できます。


どちらも愛猫の健康状態や保険に対する考え方をもとに判断します。


例えば、ペット保険をいざというときの医療費の主力としたい方であれば、1日当たりの限度額がないタイプ。普段からまめに病院を受診したい方であれば、回数制限なしのタイプ。などと考えることができます。


選び方②.補償範囲・補償割合(保険金支払割合)


補償範囲や補償割合(保険金支払割合)によって、月々の保険料は変わってきます。


例えば、補償範囲を「入院+手術」に絞る、あるいは補償割合(保険金支払割合)が低いものを選ぶと、保険料を抑えることができます。


他にも、支払方法を毎月払いから一時払(一括払い)に変更して、年間の保険料を抑えるという方法もあります。


反対に、補償範囲や補償割合(保険金支払割合)を高く設定しておくと、支払う保険料は増えますが、もし高額な医療費が必要になった場合でも、その多くを保険から賄うことができます。


こちらも、愛猫の健康状態やご家庭の経済状況にあったものを選びましょう。


例えば、愛猫用に貯金をしてきた方であれば、保険は補助程度にして月々の保険料を抑えたいという考えもあるでしょう。高齢猫で今後の体調に不安があるという方は、多少高い保険料でも保険の内容を充実させた方が良いかもしれません。


選び方③. 終身型か年齢制限つきか


ペット保険は、終身継続できるものと更新可能年齢が設定されているものがあります。


愛猫が高齢になってから保険を検討される方の多くは、さらなる老化への不安が念頭にあるかと思います。品種や生活環境にもよりますが、ペットフードの普及や生活環境の向上から20歳前後まで元気で暮らす猫も増えてきました。


実際、一般社団法人日本ペットフード協会の「平成30年全国犬猫飼育実態調査」によると、猫の平均寿命は15.32歳となっています。 また、品種によっても平均寿命は大きく異なり、ソマリは10~12歳と短めですが、バリニーズでは18~22歳と、猫全体の平均年齢を大きく上回る長寿も少なくありません。※1


更新可能年齢が設定されている保険は、18歳前後が多いため平均寿命より高く設定されていますが、最後まで加入できるか心配な方は終身型も合わせて検討されると良いかも知れません。


※1 参照:PatCareRX HOMEWELLNESSTRAVEL & LIFESTYLETHE AVERAGE LIFESPAN OF A CAT BREED BY BREED CHART


 

4.高齢の猫が気をつけたい病気


最後に、高齢の猫が気をつけるべき病気についてご紹介します。


猫が高齢になったときになりやすい病気として腎臓病(慢性腎不全)が有名ですが、その 他にも甲状腺機能亢進症、歯周病などの口腔疾患、間接疾患などに気をつける必要があります。


これらの病気の中には、完治することが難しく、生涯病気と向き合わないといけないもの もあり、保険契約ができない傷病に指定されているものがほとんどです。


高齢猫が罹りやすい病気のことを知り、その予防に努めるのも大事なことです。


 

5.まとめ


猫も高齢になるほど動物病院を利用する回数が増え、一度罹患すると長期化・重症化することが多くなります。保険に加入できれば大きな備えになるでしょう。


高齢で保険に加入する場合は、新規加入年齢をはじめ、支払限度額や補償範囲、契約更新年齢など、注視すべきポイントが多いですが、1つずつしっかり押さえておくことで、愛猫に最適な保険を見つけることができるはずです。