1.高齢(シニア)犬は保険に加入できるか?
犬のシニア期・高齢期の年齢には明確な定義がなく、おおむね7歳前後からシニアと呼ばれるようになります。 犬の保険では8~12歳を新規加入年齢の上限としているものが多く、高齢期に入ったばかりであれば、まだ数多くの保険を検討することが可能です。
もちろん、今の健康状態や既往歴など、年齢以外にもペット保険の加入条件があるため、年齢をクリアしていれば加入できるというわけではありませんが、1つの目安にはなると思います。
また、保険に加入できた場合も、貯蓄など経済的な準備を同時にしておくと良いでしょう。特に、大型犬は小型犬と比べ医療費が高額になる傾向があるため、シニア期に入った愛犬のために万端の準備をしてあげましょう。
2.高齢犬の保険加入時の確認ポイント
高齢になった愛犬の保険を検討する際に、押さえておきたいポイントを5つご紹介します。
①.犬種・サイズで変わる保険料
ペット保険は年齢に応じて保険料が上がっていくという変動制が主流ですが、犬の場合は、さらに犬種やサイズによって保険料が変わってきます。
例えば、10歳の小型犬と大型犬が同じ病気で手術を受けた場合、その手術や術後ケアで使用される薬の量は大型犬の方が多く、医療費が高額になるため、大型犬の保険料は高く設定されているケースがほとんどです。
しかし、同じ犬種でもA社では中型犬、B社では大型犬と、サイズ設定や料金プランは保険会社によって違うため、検討している保険のどのプランに愛犬が該当するか、きちんと確認する必要があります。
②.保険料の更新タイミング
保険料は犬が年齢を重ねるごとに高くなりますが、上昇のタイミングと飼い主の経済事情が合っているか、事前に想定して確認することをおすすめします。
保険料は1歳ごとに毎年更新されるものが多いですが、中には、3歳や5歳ごとにまとめて更新、ある年齢までは一律でその後はシニアコースに移行などもあり、保険によって上がるタイミングが異なります。
犬が若い時期は保険料に大きな差が出ることはありませんが、高齢(シニア)犬になると保険料は1歳ごとに大きく変わります。保険料が更新されるタイミングによっては支払いが難しくなるケースもありますので、保険料の更新時期と金額は注視すべきポイントです。
③.補償内容と保険料
高齢になると、幼少期よりも手術や入院のリスクが大きくなるため、保険料だけで選ばないように気をつける必要があります。
1日や1年単位で上限が決まっている支払限度額や支払回数、医療費の何割を保険でカバーするかを決める補償割合(保険金支払割合)など、保険の内容を充実させればさせるほど、保険料も高額になっていきます。
万が一への備え方や経済事情、愛犬の健康状態などを踏まえて、バランスを取るようにしましょう。
④.保険の継続性
高齢(シニア)犬になってから保険の加入を検討している方は、終身型を望んでいる方も多いのではないでしょうか。
栄養価の高いフードの普及や医療の充実などもあって平均寿命が伸びており、一般社団法人ペットフード協会「平成30年全国犬猫飼育実態調査」犬猫平均寿命によると、超小型~大型犬を含む平均寿命は、14.29歳と長寿化しています。
これはあくまでも全体平均であり、街でよく見かけるトイプードルやチワワ、ミニチュアダックスフンドといった小型犬は、中型犬や大型犬よりも寿命が長い傾向にあるようです。
平均年齢より少し高い18歳前後を継続可能年齢の上限に設定している保険もありますが、終身継続が可能な保険が大半を占めます。
また、終身型であっても、慢性疾患にかかると補償内容の見直しがある保険もあれば、ないものもありますので、終身型の保険を検討している場合は、加入前に確認するようにしましょう。
⑤.条件付き加入となるケースも
人間と同じように、犬も年齢を重ねていくとケガや病気のリスクが高まり、既往歴も増えていきます。
基本的には完治して数ヶ月以上(一般的には3ヶ月)が経過していれば、健康体として加入できますが、外耳炎やドライアイなど保険会社が告知対象に指定している既往歴がある場合は、完治していても関連する病気を含めて補償対象外とする条件付き加入になってしまうことがあります。
また、心疾患や椎間板ヘルニアなど罹患歴があるだけで、保険会社によっては加入そのものをNGとしている疾病にも注意したいところです。
細かな条件は保険によって変わるため、気になる傷病がある場合は、事前に規約を確認するようにしてください。
3.まとめ
今回は、高齢(シニア)犬を保険に加入させる際に、確認したいポイントを中心に解説しました。
犬はサイズや犬種で保険料が変わるだけでなく、傷病のリスクも犬種によって変わります。
特に高齢犬になると、過去の傷病や今後のリスクの大きさから条件が複雑になることも考えられます。保険各社のウェブサイトや問い合わせ窓口などを活用して、より自分に合った保険を探しましょう。