1.ペット保険の必要性
本題に入る前に、改めてペット保険の必要性についてご説明します。
ペットには健康保険がないため、病気にかかると医療費の100%が自己負担となり、経済的に大きな負担となります。ペット保険に加入することで、医療費の自己負担額を減らすことができ、大切なペットに適切な治療を受けさせやすくなります。
通院や入院、手術は高齢のペットに限った話ではなく、年齢が若くても突然訪れることもあり、元気なうちにそうしたリスクに備えることで、安心してペットと過ごすことができるでしょう。
2.覚えておきたいペット保険の選び方
それでは、ペット保険選びで覚えておきたいポイントを押さえていきましょう。保険選びで重要なポイントを4つに絞って、ご紹介していきます。
ポイント①.ペットのかかりやすい病気を把握する
ペットの種類、例えば一口に犬と言っても、犬種ごとにかかりやすい病気は異なります。
まずは、一緒に暮らしているペットが、かかりやすい病気とどのような治療が必要になるか知ることが保険選びの第一歩です。また、一緒に過ごしているからこそ分かる、性格や癖からも、気をつけたいケガや病気を知ることができます。
保険選びを始める前に、大切なペットが抱えているリスクを把握するようにしましょう。これは保険選びだけでなく、普段の健康管理においても非常に役立つはずです。
ポイント②.補償内容を把握する
次に、重要な補償内容を確認していきます。
- ケガや病気をどこまで補償しているか
- 通院や入院、手術はどこまで対応しているか
- 支払限度額や支払回数は設定されているか
これらを把握することで、保険の内容をある程度知ることができ、どのペット保険がご自身に適しているかを確認できます。
ポイント③.補償割合(保険金支払割合)を確認する
ペットの医療費に対して補償される金額の割合は、保険によって異なります。
補償割合(保険金支払割合)は、30%、50%、70%、100%などが一般的です。 ただ、補償割合(保険金支払割合)が大きくなると保険料も高額になるため、ペットの健康状態やもしもの時にどの程度のお金を保険でカバーするかによっても考え方が変わってきます。
また、保険会社によって年間の支払限度額の上限が変わることもあるため、確認しておくと安心です。
ポイント④.保険を引受する会社も確認しておく
ペット保険は、主に損害保険会社と少額短期保険業者のいずれかがしています。
前者は損害保険契約者保護機構に加入しており、万が一保険会社が破綻しても、契約者を保護するセーフティーネットがありますが、後者にはそうしたセーフティーネットがなく、破綻した場合は契約が途中で終了してしまう可能性があります。
保険について確認することはもちろん大切ですが、会社の財務状況なども確認することをおすすめします。
3.ペット保険を選ぶ際に押さえておきたい注意点
最後に、ペット保険を選ぶ際に押さえておきたい注意点をご紹介しましょう。
注意点①.自己負担額が設定されている場合がある
ペット保険によっては、保険を利用する際に契約者側が最低限支払わなくてはならない免責金額があります。
例えば、補償割合(保険金支払割合)100%のプランで支払限度額の範囲内であれば医療費の100%を保険で賄えますが、免責金額が1万円に設定されていると、1万円は自己負担する必要があります。つまり、1万円未満の治療では保険を使うことができず、全額自己負担となります。 また、1万円超えた場合も、自己負担額の1万円を差し引いた差額が保険金として支払われる場合があります。
注意点②.支払限度額を把握する
補償内容によって受け取れる金額が異なる可能性もあるため、しっかり確認する必要があります。
支払限度額には、1日・1回あたりの利用限度額と年間の利用回数を設定しているタイプと、限度額・利用回数に制限を設けず、通算金額で決められているタイプがあります。
1日あたりの利用限度額と年間の利用回数が設定されている保険、例えば1日10万円、年2回補償可能という条件の場合、年間20万円まで補償されるのではなく、2回しか保険金を請求できません。 一方で、限度額・利用回数に制限を設けていない保険の場合、年間50万円という条件であれば、50万円までは何度でも補償を受けることができます。
注意点③.更新可能年齢を把握する
保険会社によっては、継続可能年齢に制限を設けているところもあるため、事前に確認するようにしましょう。
また、継続可能年齢が設定されている保険を満期まで利用してしまうと、年齢が原因で他の保険に乗り換えることができない可能性が高いため、保険を継続する場合は、早めに切り替えを検討する必要があります。
注意点④.待機期間がある
多くの会社では保険期間の初日から一定期間、病気を発症しても保険金の支払対象とならない待機期間を設けています。
例えば、待機期間が30日とされている場合、申込みを行ってから30日が経過するまでにペットが病気になっても補償を受けることができません。
4.まとめ
今回は、覚えておきたいペット保険選びのポイントと押さえておきたい注意点についてご紹介しました。
数ある保険の中から、一番良いものを選ぶのは大変だと思いますが、愛するペットのかかりやすい病気や将来的なリスクを把握することは、一緒に暮らす上でもとても助かるはずです。
単なる保険選びと考えるのではなく、ペットの健康についてしっかり知る機会だと思えば、自身やペットに最適な保険選びができるのではないでしょうか。